色々あって纏まった文章を書く時間が無かったのですが、ようやく時間が取れたので一気に色々書きます。
・胃下垂
胃下垂にかかってしまいました。人生初。胃がかなり下にさがっているのがリアルに分かります。
食べてもまったく胃が消化する気配が無く、ラーメン一杯を完食するのに四苦八苦します。お酒も思うように呑めない。これはつらい・・・。
・本
アラン・コルバン『風景と人間』、山本博文『天下人の一級史料』、大森荘蔵『時間と自我』、ライアル・ワトソン『匂いの記憶』を読了。
あとの二冊は図書館で借りたものですが、そろそろ返却期限が切れているような気がして怯えています。
それから柴田寿子『リベラル・デモクラシーと神権政治 スピノザからレオ・シュトラウスまで』を購入。柴田先生は僕の尊敬する先生の
一人でしたが、今年になってご逝去されました。早すぎる死が惜しまれてなりません。本書の前書きや後書きの行間からは
難病に侵された先生の強い意志と無念さが伝わってきて、読みながら瞼が熱くなりました。
先生の社会思想史の授業を口述筆記して作ったシケプリは前期教養学部時代の宝物の一つです。
・髪
ちょっとだけ茶色に染めました。単なる出来心です。黒髪愛好家であることは変わりません。サーフィンに行ってきて海水と太陽の
影響を受けたのか、思ったより茶色っぽくなっている気もしますが、自分の中ではそんなに違和感なし。これもアリかな、という感じです。
・フランス語とか
Newton Pressから出ている『トレーニングペーパーフランス語』シリーズを文法の復習と単語増強を目的にガシガシ進めています。
もうすぐPart1が終わるはず。近所のマクドナルドでこれをやっていた際、隣に来た女性の方が持っていた袋にPour la frimeと書いて
あって、いつもなら「この店の名前良く見るなあ」と思って終わるのですが、フランス語をやっていたため無意識に和訳してしまい、
「Pour la frimeって〈うわべだけ〉という意味だよなあ・・・」などと考えてしまいました。「うわべだけ」という意味の袋を街で持ち歩くのは
ちょっと恥ずかしいかもしれません。すぐにボロボロになりそうです(笑)
まあ良く考えてみると町中に意味の分からないメッセージの書かれたものは結構転がっているもので、先日も大学へ行く途中の道で
追い越したマダムのTシャツの背中に「前 代 未 聞」とフォント60ぐらいで印刷してあるのを見ました。
前代未聞と書かれているTシャツを見た事はなかったので、確かに前代未聞です。
・音楽
指揮法のレッスンに備えて叩きのトレーニングを一日100回やっています。前よりも鋭く叩けるようになってきました。
フルートのレッスンにも行っていますが、そろそろまともな楽器が欲しくなってきました。天邪鬼なために「使い手を選ぶ」と言われる
サンキョウのフルートが気になっています。特に40周年記念モデルのリングキー。買うお金はありませんが・・・。
・ボウリング
セカンド・ディメンションの指調整が完璧になり、この球のポテンシャルをかなり引き出せるようになりました。
横回転を強めに入れて外に出した時の戻り具合が半端無いです。スーーッ、グワッ!!という感じで、蹴散らすように強く重い当たり。
スタッフの方の粋な計らいで投げる前に特別にオイルを引いてもらい、それからこのボールを投げたのですが、フッキングポイントに
入ってからの加速感にビビりました。隣のレーンの左端ぐらいに立ちほとんど右ガターを超える形でリリースして5枚目あたりまで
出すとジャストポケット。なんじゃこりゃ。こいつのおかげでセミパーフェクト達成です。今ならシナモンアップル臭も許せます。
・進学振り分け
無事に第一希望の教養学部地域文化研究科に内定しました。地域文化研究科の中のフランス分科に所属する予定です。
興味の幅を広く取っていたため、進学振り分けに際しては相当悩み、教養学部の科学哲学や表象文化論、比較文化にはじまり、
文学部哲学科や倫理学、社会学、果ては工学部建築学科や都市デザインまで考えましたが、以下の理由から最終的に
地域文化研究科に絞りました。
1.何よりも駒場に残りたかった。
→「本郷に行きたい!」と思う方が大多数でしょうが、僕の場合は逆に駒場に残りたいと思っていました。
というのは、本郷の各学科のようにタコツボ化したディシプリンに閉じ込められず、学問を広く横方向に繋げて捉えたかったからです。
これが簡単な事で無いのは承知しています。しかしそれでも、学問にしろ遊びにしろ、常に越境者の志を持っていたいと思います。
また、教養学部でこれから始まる大きなプログラムを非力ながら引っ張っていく立場になるようなので、このプログラムに大学生活の
後半を賭けるため一番動きやすい場所を取っておきたかったというのもあります。
なお、引っ越しするのがめんどくさかったから、というのも一つの理由です。
2.大学における残り僅か二年の勉強で何かが身につくのか?
→院まで行けば別でしょうが、あと二年間で自らの専攻分野を卒業後に活かせるまで身につけられるのか僕には疑問でした。
そして文系のかなりの分野は本を読めばそれなりの知識をつけられるはずです。授業を受けるよりも自分でどんどんと読み進めて行く
方が身になるでしょうし、今までもそうしてきました。では、今までで身につかなかったものは何か?
僕の場合、それは言語です。ずっと外国語から逃げてきた。だから今度は言語から逃げられない環境に自分を置いて、スパルタで
言語を鍛えようと思います。言語は卒業してからも必ず活かせますしね。ちなみに地域文化研究科は卒論を各専攻地域の言語で
書かなければなりません。僕の場合はフランス語です。卒論発表や口頭試問もフランス語で行うらしいです。地獄です。
3.フランス現代思想に興味アリ。
→本棚を眺めて気付きました。フーコー、ドゥルーズ、ラカン、バルト、ベルクソン、メルロ=ポンティ、ヴァレリー、ランボー、コルバン・・・
僕が好きな思想家や作家、詩人、歴史家、それは多くがフランス系でした。スラヴォイ・ジジェクや大澤真幸の影響を受けて社会学にも
かなりの興味を持っていましたが、社会学への興味の底にはフランス現代思想がありました。(そもそもスラヴォイ・ジジェクの著作は
ラカンの理論が全てのベースになっていますしね)だから単に社会学をやるのではなく、しっかりと原書を読める言語力をつけて、
それぞれの思想への理解を固めたうえで、必要とあらば社会学的なアプローチをとりたい。最近はミシェル・フーコーの生権力論の射程
と現代の生命倫理の交差点に一番の関心を持っているので、これを一つの軸にしようと企んでいるところでした。
これを考えたとき、地域文化研究科フランス分科はこの分野の先生方に非常に恵まれています。
4.副専攻制度
地域文化研究科の特権に、東大の中でもレアな「副専攻制度」が認められているというものがあります。僕の場合は国際関係論か
相関社会科学、あるいは表象文化論を副専攻にしたいと考えていますが、このように自分の専攻分野と別の分野の授業を取ることが
出来るシステムです。これは一つに興味を絞れない人には嬉しいシステムで、地域文化研究科に惹かれる大きな理由になりました。
こんなところです。
最後に、そもそも地域文化研究科のフランス科って何をやるのかという点だけ書いておきたいと思います。
昨年のシラバスを見れば、アナール派などのフランス史学やフランス思想、レヴィ=ストロースの人類学的構造主義、
マラルメやフローベール、ゾラなどの作品のテクスト分析、ヨーロッパ政治構造論、ヨーロッパ経済システム論、表象芸術論、
メディア環境論、世俗性と政教分離やライシテ、クイア・スタディーズ、ブランショ、デリダ、ボードレールetc…
このように政治・経済・宗教・文化・社会などの多角的なテーマを横断的に学ぶ学部であることが分かります。この多角性を活かすも
殺すも自分次第。第二外国語としてドイツ語を選択していたこともあり、二年間相当にフランス語に苦しめられることになるでしょうが、
最後まで必死に食いついて行きます。ここをお読みの方でフランス語に堪能な方がいらっしゃいましたら色々とご教示下さい。
地域文化研究科に進学される方がいらっしゃいましたら、これから二年間どうぞよろしくお願いします。