こういうギャンブル映画はやっぱり夜に見るのが王道だろう、と思って深夜二時から「ROUNDERS」という映画を観た。
監督はジョン・ダール。出演はマット・デイモン、 エドワード・ノートン、 ジョン・タトゥーロ、 ジョン・マルコヴィッチなど。
見終わった後に思ったのは、「うーむ・・・。」という言葉にしがたい微妙さだ。
じめじめしているわけでもないし、爽快なわけでもない。メッセージ性があったか、と言われても、
「ギャンブルにおいては、相手をいかにして自分の敷地(精神的にも肉体的にも)に引きずり込むかが勝敗を分ける。」という程度に
留まってしまう気がする。このメッセージは大きい意味を持っているものの、そこに至る流れが先読み出来てしまうストーリなのが残念。
カジノに着くまでの一連のショットはマーティン・スコセッシの「カジノ」に比べると生彩を欠いてどこかB級っぽいし、
ラストシーンのグレッチェン・モル(かなり綺麗です。)が扉のガラス越しに映るシーンなどにおいても、どことなく安易な感が漂う。
主人公に感情移入して観る、というよりは、「やめとけって・・・。」と主人公を冷ややかな目線で見てしまったからか、
最後の山場のシーンでもさほどドキドキさせられなかった。他の登場人物では、相棒(というよりは単なる厄病神)のワームは
見ていて本当に腹が立った。あのニヤニヤした笑い、人に押し付けて平然としている様、どこを取っても超一級品の憎まれ役だ。
エドワード・ノートンの演技力が光っている。演技力とは関係ないが、教授役のマーティン・ランドーが使っているペンがペリカンだった。
一番印象に残った台詞は、「どうしてそんなに未熟な自分が、ゲームに勝てるなどと思うのか。」という主人公の独白。
この台詞が本映画を説明し尽くしている。