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Qui n'avance pas recule.

 

 朝からずっと、某所より頼まれている原稿を書いている。現在3万文字まで書いたのだが、3万字を超えたあたりで急速に

筆が進まなくなった。ついでに携帯もバグったようで、電源が入ったり切れたりする。非常に不便である。

というわけで気分転換に音楽。テンションの高いものが弾きたくなったので、映画『海の上のピアニスト』で

ジャズ勝負のシーンで主人公の相手が弾いていたThe Craveを弾く。思いっきりjazzyに崩して弾く。

テンポがin tempoだとかrubatoがどうとか、そんな事を全く無視して弾きたいように楽しく弾く。ただただ小気味いい。

テンションが上がってきたので、一か月前ぐらいから書いている曲の続きを作ってみる。今日はなぜかガンガン書ける。

一通り書けるとこまで書いて、弾いたり打ち込んだりしてみると、何かのある曲と似ているような気がしたので、それらしい

曲をCDとスコアの山から探しまくる。見つけた。なんとムソルグスキーのボリス・ゴドゥノフ 第三幕第一場のalla mazurkaだ。

マイナーとは言え、ちょっと悔しいので破棄。新しくまた書いているうちに、明日の情報メディア伝達論で映画Joint Security Area

に関するレポートを提出せねばならないことを思い出し、一息に書く。なかなか良いのが書けたのでここに載せようかと思ったが、

載せたものを誰かがコピペして明日提出するようなことがあったら面白すぎるので自重する。

それにしてもレポ800字は短すぎる。8000字の聞き間違いではないかと不安になるが、あってますよね?

 

 そんなこんなで『日本の時代史17 近代の胎動』(吉川弘文館, 2003)を読了。

今からビリヤードかボウリングに行きたい気分だが、日曜日+雨のコンボでどちらも混雑しているに違いない。

明日のプロとの再戦に備え、今日はゆっくり家でドイツ語でもやろう。

Warte nie bis du Zeit hast!

  

谷川俊太郎+吉村和敏『あさ』(アリス館,2004)

 

 谷川俊太郎による詩と吉村和敏による写真とのコラボレーション、『あさ』を読んだ。

「ひかりにくすぐられて」なんてフレーズには流石の一言。「朝のリレー」という詩の中盤、

 

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ。

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

 

には「いいなあー」と呟かずにはいられない。

写真も朝の光やグラデーションを見事にとらえた透明感に溢れるもので、詩との相性が素晴らしい。

最後に置かれた「美しい夏の朝に」を読んでいるうちに、ランボーのAube「黎明」を思い出した。

 

J’ai embrassé l’aube d’été.

Rien ne bougeait encore au front des palais. L’eau était morte. Les camps d’ombre ne quittaient pas la route du bois. J’ai marché, réveillant les haleines vives et tièdes, et les pierreries se regardèrent, et les ailes se levèrent sans bruit…

 

(僕は夏の黎明を抱きしめた。

宮閣の奥ではまだ何物も動かなかった。水は死んでいた。陰の畑は森の道を離れなかった。

僕は歩いた、鮮やかな暖かい呼吸を呼びさましながら。

すると宝石たちが目をみはった。そして翼が音なく起きいでた。…)

 

ランボーの詩とともに、「よがあけて あさがくるっていうのは あたりまえのようでいて じつは すごく すてきなこと」

という谷川俊太郎のあとがきが深く染みてくる。