帰省していた時に世界史の川西先生にお勧めして頂いたこの大著、ようやく上巻を読み終えた。
この作品は、上・中・下それぞれを一気に読み通すべき本だと思う。
というのは、まず登場人物が相当に多く、しかも名前が似ていてややこしい。ドストエフスキーも真っ青なレベルである。
加えて、途中で時間が一気に飛ぶ箇所がある。これによって読者は「え、こいつ誰だっけ・・・?」という困惑に容赦なく叩き落とされる。
もちろん僕もその困惑の渦に嵌った一人で、前を参照しながら人物関係を追うのに必死になった。
だが、これらの「試練」とも言うべき個所を抜けると、登場人物のキャラが一気に立ってくる。
先ほどまで誰が誰だか迷っていたのが嘘のように、パッと視界が開けてこの作品の世界に入り込む事が出来るだろう。
そこからは本当に面白い小説だ。小説としても面白いし、世界史をやった人にはこの作品の背景に中世の社会構造が大きく横たわって
いることが見て取れるはずだ。(例えば、聖職者の特権的地位、職人の身分、女の地位、ギルドの閉鎖的構造、保守と改革など。)
上巻を読み終えた今、世界史の先生がお薦めされた理由がよく分かった。各巻が650ページぐらいある大著で読むにはかなり
骨が折れる(ついでに、読んでいると重さで手が段々ダルくなってくる。ストレッチ必須。)が、カリスとグウェンダ、そしてマーティンと
ゴドウィンといった魅力的なキャラクターたちが時にハラハラ、時にイライラさせてこの世界に惹き込んでくれるので、中・下巻も
それぞれ一気に読み通せそうだ。夜中、ソファーに寝転んでキンキンに冷やした白ワインを飲みながらこれを読んでいると
一人暮らしの狭い1Rにも関わらず異常に幸せな気分に浸れるので、今週の夜はこれを読んで過ごすことにするつもりである。
なお、本日も経堂で8ゲーム投げ込んだ。
師匠に教わったラインを練習すべく、家に寝かせていたMomentum Swingを持ち出してきた。
このボール、寿命に難があるものの、「スーッ」と滑らかに曲がっていくしピンアクションも良いしで使いやすい事は確かだ。
これを25枚目から15枚目まで出して投げる。横回転を多めに入れ、オイルを長く使って「狭く・強く」投げる練習である。
今の回転ならガターギリギリまで出しても戻してこれるが、それではボールの勢いが削がれてしまい、ジャスト‐タップが起きてしまう。
師匠に指摘された通り、次に僕が目指すべきは、回転数が多くてスピードの乗った強い球を狭いライン(=オイルを長く使う)でしっかりと
投げれるかだ。ポケットに入るラインを見つけるのではなく、ストライクが続くライン(=タップしないライン)を選ばなければならない。
トップトーナメントでは210アベ以上が要求されるので、このラインを早急に自分のモノにして引出しを増やしたいと思う。
これを使えるようになれば、5枚刻みに5つの基本ラインを取れることになる。これ以上内側に立たねばならないもあるが、
インサイドに立つのは嫌というほど練習したから苦手意識は無いし、そもそもそんな時にはボールを変えれば何とでも対処できる。
後は状況に応じて1枚2枚ずらしたり、回転軸を少し調整してアジャストすればよい。
・5枚をまっすぐorちょい出し。・・・レフティの王道ライン。オイルの切れ目を感じて、先まで走らすのが最大のポイント。
・10枚から外にちょい出し。・・・万能。朝の試合で最初に選択するライン。オイルの壁に沿わす感じ。
・15枚から5枚まで出す。・・・非常に使いやすいライン。ここを使ってちょっと薄めに入れるのが好き。
・20枚から10枚まで出す。・・・オイルを長く使う。ピン前が切れているときはこれ。ここを使って厚めに入れるとパーフェクトストライク。
・25枚から15枚まで出す。・・・オイルを長く使って、エネルギーロスを極力避ける。横中心回転。狭いラインで強烈にフリップする球。
(・18枚目直球…ネタ。アプローチ上での助走のエネルギーと体重移動と身体の捻り戻しを使って45キロでぶち込む。カタルシス。)
投げ始めてすぐに小学生が二人寄って来て、「上手くなる方法教えて」と言われたので、スパットを見ること、アプローチをゆっくり
歩くこと、左手でバランスを取ること、毎回立ち位置を確認すること、などを簡単に説明した。小学生たちが嬉しそうに戻っていって
投げ終わったあと、「どうや!」と言わんばかりに(関東の小学生が「どうや!」なんて言うわけはないが)こちらを見るのが可愛かった。
お母さんも最初のうちは「邪魔してすみませんほんと。○○、邪魔しちゃだめよ!」と言っていたのに、
最後の方は「左手でバランスを取れって教わったでしょ!えーと、これで合ってますよね?」と尋ねてくるようになっていらっしゃって、
やっぱり子供の上達が気になるんだなあと思うと微笑ましいものがあった。子供たちもすっかりハマっていたようで
小学生: 「もう一ゲーム!」
お母さん: 「もう一ゲームだけよ!」
~ 一ゲーム終了 ~
小学生: 「もう一ゲーム!!」
お母さん: 「もう一ゲームだけって言ったでしょ!・・・これが最後だからね!!」
などという光景が展開されていて、スタッフの人と目を合わせて笑ってしまった。なんとも平和である。
子どもたちは最後に、「お兄ちゃん、ありがとうございました!」と元気よく挨拶をして帰っていった。
「バイバイ、またおいでなー。」と手を振りつつ、「おじさんって呼ばれなくて良かった・・・。」とホッとしていたのは内緒である。