June 2024
M T W T F S S
« May    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

Bruckner Sym No.5 とFF V

 

 今日は家に籠っていた。

珍しく何の予定も無かったので、全部聴き通すのに一時間半ぐらいかかる大曲、Bruckner の5番を聴きつつドイツ語を勉強する。

演奏はチェリビダッケとミュンヘンフィル、1986年10月22日のサントリーホールでのライヴ録音だ。

この盤には一際思い入れがある。手に取ったのは一浪目の冬、センターの少し前。このCDによって初めてブルックナーの

素晴らしさを理解することが出来た。聴き終わった瞬間に放心状態になって、一時間ぐらい座ったままぼーっとしていた。

感動を通り越して呆然とした。とんでもなく大きな建築、とてつもない広さ、圧倒的な重量感。

この曲を「大伽藍」と表現する評論家がいるそうだが、なるほどその通りだと思う。これは一つの曲どころか、もはや一つの世界だ。

一楽章の出だしは何回聞いても震えるし、二楽章の平穏さは、「天国があるとしたらこんな風景ではないだろうか」と思わせるほど。

広くて穏やかな世界に神々しい静けさが流れている。時折入ってくるフルートは平原に咲く花のようで、低弦の三連pizzに乗って

流れる旋律は悠久の時間、大河のようだ。だが、そのような楽園は三楽章で破壊される。足場が崩れていき、世界が崩壊する。

そしてまた、世界が再構成されてゆく。(本盤ではこの三楽章で、チェリビダッケの気合の籠った掛声「ティー!」を聴くことが出来る。)

四楽章は圧巻。言葉を失う。響き渡るコラールは、遥か高みから今まさに作り上げた世界を見渡すようだ。

この曲にあるのは一種の天地創造に他ならない。90分があっという間に過ぎ去っていった。

 

 夕方、ドイツ語に疲れてネットサーフィンをしつつ、久し振りにニコ動にアクセスした。

適当に検索をかけていると、偶然「 植松伸夫&すぎやまこういち 」なる動画に出くわす。何でも両者のゲーム音楽(FF VS DQ)の

聴き比べをやる動画だそうで、面白そうだと思ったので再生してみた。

・・・これは懐かしい!!再生時間一時間弱の超ロングムービーだったのに最後まで見て(聞いて)しまった。

FFもドラクエも最初期作から2005年度ぐらいまでのやつは全部やっているだけに(実は結構ゲーマーなのです。たけしの挑戦状も

三回ぐらいクリアしました。)一つ一つの曲に思い入れがある。中でも、FFのスーファミ期(4・5・6)あたりは中学生の頃に何度も

繰り返してプレイしたし、サウンドトラックからピアノコレクション、果ては楽譜に至るまで持っている。何度やっても飽きなかったし、

何度聞いても飽きなかった。それだけに植松さんの音楽は、クラシックと並んで今の僕の音楽観に影響を与えている。

何年か前、高校のイベントのために書いた曲をいま聴き返してみると植松さんのマネが明らかすぎてちょっと恥ずかしくなるぐらいだ。

今回この動画を見るにあたって、植松さんとすぎやまこういち氏の違いを意識しながら聞いてみた。

 

 違いをコピー風に書くならば、「時間の植松、奥行きのすぎやま」ということになるだろうか。両者の違いが最も出るのは戦闘曲だ。

植松さんには、前のめりになるようなリズム感がある。手に汗握るようなテンポ。ベース、ドラムなど、リズム隊の使い方が上手い。

主旋律は短いパッセージを変奏曲っぽく組み合わせ、変奏の変わり目では音数を少なくすることで「聴かせる」=「印象に残す」

技術が際立っている。ループのつなぎ方も上手い。FF6のラストバトル曲、「妖星乱舞」でワンループの最後にケフカの笑い声を

重ね、そこにドラムを出して先頭に繋ぐ技術なんかは神がかっていると思う。

一方、すぎやまこういち氏の音楽には奥行きを感じるが、ハラハラするバトルっぽさは無い。鳥肌は立っても手に汗は握らない。

金管のパッセージが複雑だったり、主題が長すぎたりで、バトル曲のような短ループでは氏の持ち味が出ていないように感じる。

メインテーマの変奏をバトル曲に取り込んでくる技術などは上手いと思うが、氏の音楽ではバトル曲よりもフィールド曲の方が好きだ。

植松さんのように内向きに、一点に集中するようなトランス的快感(これがバトル曲の特徴だと思う)ではなく、パーッと外側に広がって

いくような大きな音楽になると、すぎやま氏の本領発揮だ。DQ8の名曲、「おおぞらをとぶ」などが分かりやすいだろう。

オーケストレーションが生える曲では、すぎやま氏の音楽は本当に素晴らしい。

 

 メインテーマはいずれも国宝。ゲーム音楽が生んだ不滅の名曲だと思う。

DQのテーマにはワーグナーの「マイスタージンガー前奏曲」やエルガーの「威風堂々」のような雰囲気があり、対するFFのテーマに

ブラームスの一番のような雰囲気がある。どちらも甲乙つけがたい。とにかく良い動画なので、是非検索してみてください。

 

FF5のビックブリッジを久しぶりに聞いたら(ギルガメッシュが出てくるシーンがスクリーンショットで合わさっていた)

FF5がやりたくなった。舟の墓場で敵にケアルをかけまくってくることにしよう。ガラフ最高。