師から託された生徒。僕にとっては初めて教える弟子。
一緒に一つの曲を作って来て、もうすぐ本番を迎える彼女を仕上げとして師匠に見て頂いた。
「こんなに振れるようになったのか。よくやったな」と師は驚きながら笑って下さった。
本当に嬉しくて、ここに至るまでの日々が報われた気がした。
表現者でなければならぬ。
師が折に触れて語る、そして友人のヴィオリストが酔っぱらったときに必ず漏らすその言葉が、
今日の彼女の指揮を見ている間ずっと木霊していた。そして、今日の彼女は間違いなく表現者だった。
それはもちろん今日までの彼女の努力があったから。
とても良く勉強してくれているのを毎回感じたし、表現する上で殻を破った瞬間を目の当たりにした。
僕にとっても沢山勉強になることばかりだった。必ずや素敵な本番になることだろう。
あとは客席から見守っています。