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シングルモルトと大切な人たちと。

 

ウェブデザインを担当することになっている赤坂のバーで打ち合わせをしつつ飲んできました。

僕が大切に思っている人たちを連れて、カウンターだけの小さなお店でゆっくりと三時間。

頂いたのはグレンモーレンジの18年、グレンファークラスの25年、アードベッグのルネサンス、

そしてアランのちょっと変わったシングルカスクの四つです。

 

グレンモーレンジは家でも好んで飲むウィスキーでしたが、18年ははじめて。

蜂蜜のように甘く華やかな香り、角の取れた丸さ、ふくよかなボディ。飲み飽きない纏まりのある味でした。

グレンファークラスは濃い色調にシェリーカスクの味がしっかりとしていて、25年という歳月(僕の今の年齢よりも年上!)

を思いながら堪能させて頂きました。僕が生きていないころからこのお酒は樽の中で眠っていたのだなと思うと何だか感動してしまいます。

最後のアードベックのルネサンスはピートが心地よく、もとからピーティなシングルモルトが好きな僕にとってはゆっくりと楽しめる一本でした。

しかし今日一番驚いたのは、アランのシングルカスク。華やかでフルーティー、しかし後味には若干のスパイシーな余韻が残り、

心地よいリズム感を感じさせる作りになっていました。今までに飲んだ事のないタイプの一本で、癖になってしまいそうです。

 

シングルモルトを楽しむ、ということは、その土地や蒸留所、作り手の思想、そして流れる時間を楽しむことなのだと気付きます。

気の合う大切な人たちとゆっくりじっくりと、グラスの中に満ちる琥珀色の「命の水」に思いを馳せながら夜を過ごすのは確かに、

大人ならではの楽しみなのかもしれません。二十歳を超えたばかりの僕はあのヨード香や煙たさ、正露丸のような薬っぽさの

何が美味しいのか分かりませんでしたが、分からないなりに背伸びして飲んでいました。

あの頃から比べると少しは背伸びせずにシングルモルトを楽しめるようになったかなと思います。何より、素直に美味しいと思えるのですから。

マスター、美酒をごちそうさまでした。ご一緒して下さった素敵な方々共々、幸せな時間をありがとうございます。

 

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