京都に旅行に出かけた友人が紅葉の美しさについて触れた文章を読んで、「霜葉は二月の花より紅なり」(霜葉紅於二月花)という一節を思い出す。
この一節がある漢詩の最終行であることは知っていたのだけど、全体を知らなかったのでこの機会に覚えることにした。
晩唐の詩人、杜牧の「山行」という七言絶句だ。以下横書きで引用しておこう。
遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅於二月花
やはり最終行の鮮やかさに惹き付けられる。
それはただ、扱われている内容が鮮やかなだけではない。
それまでの行で描いてきた目と心の動きから一気に重心が舞い上がるような鮮やかさだ。