放っておくと収束してくる世界に耐えきれなくて、僕はいつも裂け目を求める。
どうしてみんなは自ら世界を収束させ、安定を求めようとするのだろう。
まだ世界を収束させるには早過ぎる。纏まるのはまだ早い。自分をどこかに位置づけるのにも早過ぎる。
違う世界への入り口はどこだ。もっと広く、もっと深く。更なる可能性はどこにある。
焦らず、時間を限界までギリギリと引き延ばしながら耐える。音符の持つ長さを目一杯に伸ばし、小節線からはみ出ることも恐れずに待つ。
世界から世界へ渡り歩きながら、それぞれを繋げてゆく。足下に敷かれた石をたどりながら、いつしか大きな庭園を描く。