幸運にも奨学金を得て、ヨーロッパへEUの動向を学びに行ってきました。
セミナーの場所はドイツのオッツェンハウゼンという場所だったのですが、せっかくの機会だから、とセミナーの一週間前に日本を経ち、
ベトナムを経由してまずはフランスを目指しました。
地域文化研究学科のフランス科に所属してフランス語やドイツ語に日々触れているくせに、実はヨーロッパを訪れるのはこれが
人生初の経験。本当ならツアーみたいなものに参加した方が安全なのでしょうが、「語学を勉強するにはやはりサバイバルせねば。」
という向こう見ずな思考のもとで、現地のホテルも予約することなく(!)一番安いベトナム航空の席だけ押さえて、成田空港へ
向かいました。ベトナム航空の飛行機は、青の機体に金のラインが美しいもの。しかもアテンドのお姉さんがアオザイ
(ベトナムの民族衣装。妙にセクシーです。)の似合う素敵な方ばかりで、「ベトナム…大丈夫かな…。」という不安な気持ちも
たちどころに吹っ飛んでしまいました。我ながら単純です。(笑)
経由地であるベトナムまで、飛行機で四時間ぐらいだったかと思います。
飛行機の中では全く退屈しませんでした。というのも、出発直前にiPadを購入し、これを機内に持ち込んでいたからです。
iPadにベートーヴェンの交響曲のフルスコアを1番から9番までと、ブラームスの交響曲のフルスコアを1番から4番まで、あと
ベルリオーズの幻想交響曲も全部PDFで入れておき、それぞれを聞きながら楽譜を読んでいるうちに一瞬で時間が経ちました。
ベトナムのタンソニヤット国際空港に降り立つと、スコールのような激しい雨が降ってきました。日本を出るときに着ていたコートが
邪魔なぐらいの暑さ。ただそれだけのことなのに、「ああ、僕はいま違う国に来ているんだな。」と何だか感動してしまいました。
格安航空券だっただけにトランジットが八時間ぐらいあったので、空港内をぶらぶらして綺麗なストールを見つけて衝動買いしたり、
illyのカフェで本を読んだりTwitterをしたり国際電話をかけてみたりしているうち、陽はすっかり暮れて夜に。
カフェには同じくトランジット待ちと思われる日本人の大学生カップルがいて、『地球の歩き方 フランス』を二人で仲良さそうに
読んでおり、日本語がときどき聞こえてきて何だか安心しました。(こちらは一人だったので、気楽な反面ちょっと寂しかったですが)
ちなみにこのillyのカフェではWi-Fiが飛んでおり、持っていったVaio-PとiPadを両方これに接続してメールの返信なども
こなすことができ、とても助かる場所でした。ベトナムで一番思い出深い場所はこのillyかもしれません(笑)
そうこうするうちに、いつの間にか搭乗時間に。この飛行機に乗れば次はフランスです。
わくわくしながら、日が変わる頃に飛行機に乗り込んで、フランスを目指しました。