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ポール・リクール『記憶・歴史・忘却』(2004,新曜社)

 

最近読んで衝撃を受けたのがこれ。原題はLA MEMOIRE,L’HISTOIRE,L’OUBLI.

上下巻に分かれており、分厚さだけでも衝撃的なのですが、中身はもっと凄いです。まだ理解できたとはとても言い難いので

中身についての細かいレビューは避けますが、フーコーやアラン・コルバンに興味を持っている僕にとって、ポール・リクールの著書は

大いに刺激的なものでした。(それこそ、卒論のテーマ構想に影響してくるぐらい!)

リクールはコレージュ・ド・フランスのポストをフーコーと争った人でもあり、同時にアナール第三世代の影響を強く受けています。

ちなみにポール・リクールの講演はyoutubeで見ることができます。最近のyoutubeではフーコーやドゥルーズの講演も見る事が

出来るので、最近それらをフランス語リスニングの教材にしています。といっても、ほとんど分かりません。読んでも分からないのだから

当たり前といえば当たり前ではあります(笑)

 

リクールの本書を一通り読み終わったので、さっそく今日から再読し始めます。リクールの大著と並んで気になっている本に、

クリストフ・ヴルフの『歴史的人間学事典』があるのですが、こちらは値段が一冊一万円以上するので、簡単には買えそうにありません。

しかし紹介文を見る限りではめちゃくちゃ面白そう。

「歴史的人間学とは、伝統的な規範が拘束力を失った今、人間的な諸現象を多様に、トランスナショナルに学科横断的に研究し続ける

努力、止むことのない思考の活動性である。」

「本書で取り上げられるいずれの事象も、かつて哲学的人間学のように「・・・・とは何か」といった超歴史的・規範的立場からではなく、

ある特定の文化におい て、ある特定の時代において「・・・・はいかに語られてきたか」といった問題設定のもとで論が展開される。

嗅覚や味覚といった、一見超歴史的なものと思え るような事象についてもこうした観点は貫かれ、各文化や各時代の文学作品や

哲学書や民族誌などからその歴史性が明らかにされる。」

「ドイツで展開された歴史的人間学、アングロサクソンの伝統に根ざす文化人類学、フランス歴史学を基盤として、人間の生活様式、

表現様式、叙述形式や、その共通点、相違点を明らかにする。」

 

とあっては読みたくなるのも当然というもの。お酒を呑んだ勢いでAmazonにアクセスしてカートに突っ込もうと思ったのですが、

「在庫切れ」ということでかろうじてストップがかかりました。あぶないあぶない。とりあえずは中古で探してみて、無ければ改めて購入を

考えようと思います。学生には中々この金額は辛い。全頁きちんと読んでレビューを書くという条件で出版社の方が一冊提供して

下さったりしないかなあ、と妄想してみたりしますが、まあそんな美味い話はないですね(笑) 大人しく、いつかどこかで買うとします。