駒場祭が終わった。立花ゼミ「二十歳の君へ」企画もその一楽章を終えたことになる。
「二十歳の君へ」は、そのテーマのもとに何種類もの企画を並行的に走らせたものだった。それぞれ、ここに感想を書いておこうと思う。
・壁
最終的には書く場所がないほどに壁は落書きで埋まった。書かれる内容も面白かったし、増えてゆく様子も面白かった。
落書きから「生」を切り取る、というのは、今考えても秀逸なアイデアだったと思う。
・プリクラ
一年生の廣安さんのおかげで次々と改良がなされてゆき、三日目にはかなり話題になっていたようだ。
栄田さんの美しい写真をフル活用して、その写真をプリクラ機に取り込んでそれを背景にすることができるようにしていたのだが
これはナイスな企画だった。宣伝についても、初日のデーターに基づいてしっかりとアナリーゼをしたおかげで、
無駄なく、最大限有効な宣伝が出来たのではないだろうか。
・学生証の写真を使った、「わりとイケメンコンテスト」
プリクラ機での待ち時間の手持無沙汰感を解消するために、二日目の夜に発案された企画。かなり体(顔?)を張った企画だったが、
暇つぶしには最適だったようだ。ちなみに優勝者は飲み会代が割引されることになっており、ちょうど金欠だったのでこの賞品は
素晴らしくありがたかった。ごちそうさまです。一番面白かったのは小学生の女の子に「この中から選んでね。」と言ったら、
「えー、この中から?・・・かっこいい人いない。全部ない!」と切り捨てられたこと。ちょっと心が傷つきました(笑)
・「二十歳の君へ」パンフレット
相当に満足な仕上がり。とはいってもいくつかミスは見つかったし、中でも、朝倉くんのコラムの最後の文章が欠落していたのは
本当に申し訳なかった。このパンフレット、様々なブログで好評のようなので、時間を注いで作って良かったなと思っている。
昨日プロのグラフィック・デザイナーの方からこのパンフレットのデザインに関する講評を頂いてとても嬉しかった。
・講演会
雨&気温低という、駒場祭で最も悪い天気・時間帯だったにも関わらず、350人の教室に人が入りきらず立ち見が出るほどの
盛況ぶり。会場のドアの外から信じられないほどの列が伸びていてちょっと感動した。いろいろなポスターやビラを作った甲斐があった。
講演会自体は、大きく二部に分けられる。最初に「世界や時代を認識するために、いまホットな、様々な知を紹介します。」という形で、
ガン・脳・冷戦・宇宙などの分野について話された。ただその分野を紹介するだけではなく、立花ゼミの過去の活動とリンクさせつつ、
また、パンフレットに掲載した「二十歳の君への宿題」ともリンクさせながら話されたのが印象的。
次にそれをベースにして、「人がいま、ここに生きて・空間を共有していることがどれほど奇跡的なことか」
「二十歳の脳がいかに特殊な状況にあるか」、そして「二十歳に何をせねばならないのか」ということを話された。
具体的だった前半とは一変して、後半は極めて抽象的。これをしておけ、あれはしておけ、とは言わない。
「情報をぼーんと与えるから、ここから君たちがエッセンスを掴みだし、あとは好きなように料理して生きて行け。目の前にあることに
必死になって生きることだけは忘れるなよ。挑戦しろ!」というようなメッセージが言外に感じられた。
この展開、実は事前に準備していたものとはかなり違ったので、司会を務めていた僕としては相当に困った。
最後にマイクを受けたとき、どうやって纏めようか・・・と悩んだが、まあなんとかまとまったのではないだろうか。
終演後にパンフレットに先生のサインを求める長蛇の列が出来るのを目の当たりにして驚くとともに、先生と時間を日常的に過ごすこと
ができる今に感謝した。先生からもっと多くを学んでおきたいと思う。
講演会および今回の企画について沢山の方からメールやお話を頂き、とても嬉しかった。
(中には「司会が関西弁で、関西から聞きに来た私としては幸せな思いになりました。」というのメールもあった。それはそれで嬉しい。)
体力・精神力ともにすり減ったが、それだけの価値あるものだったという自信がある。
またNHKで放送される運びになったらここに書くので、その時は是非見て頂ければと思う。
それから「二十歳の君へ」パンフレットは、ある出版社から書籍化されることがほぼ決定的になった。
ここからどうやってコンテンツの質・量を上げていくか、それが12月の僕の立花ゼミ活動テーマになるだろう。