ついにここまで来た。
明日から駒場祭が始まる。そして立花ゼミのグランド・プログラム、「二十歳の君へ」が始まる。
準備は途方もなく大変だった。パンフレット80ページ余りを一人でレイアウトし、時に文章を書いた。
一週間ほとんど授業も休んでパソコンと戦い続けた。二時間ほど寝ようと思って目を閉じても、瞼の裏に原稿用紙のマス目が浮かんだ。
徹夜が続いて限界まで疲れているはずなのに寝れない。瞼の裏に浮かぶマス目、それを眺めているうちにレイアウトの
インスピレーションが突如閃き、布団から飛び起きてパソコンを再びつける。切ったばかりのパソコンはまだ熱かった。
クオリティを落とそうと思えば簡単だ。考えなしに次々と機械的にレイアウトを流して行けばよい。けれども、それは許されない。
技術班の人たちはメールフォームの設置から調整、データーベースの構築まで、最高の環境を睡眠時間を削って整えてくれたし、
ゼミ生はそれぞれの知り合いを辿って沢山の「二十歳の君への宿題」を集めてきてくれた。ましてや立花隆は、何万冊もの本や雑誌を
見て来ているこの世界のボスだ。その先生の名前を冠するものに中途半端なものは作れないだろう。
それどころか、立花隆に「これは凄い!」と言わしめるぐらいのものを作ってやりたい。ゼミ生が書いてくれた文章と、全国から集まった
「宿題」で、中身は十分に魅力的だ。だから、あとは見栄えにかかっていた。シンプルだけれども1ページ1ページに思想とストーリーが
詰まっていて、そして同時に全体が一つのテーマで力強く貫かれたものを作りたかった。
その夢は多分、十分すぎるほどに叶った。
完成品は駒場祭に来て見て欲しい。11.22(日)の15:30-17:30、駒場キャンパス13号館1階の1313教室で完成品を無料配布する。
写真をふんだんに使ったこのパンフレットは、駒場キャンパスの写真集としても通用する美しさになったと自負している。
感性の合う写真家とのコラボレーションは本当に楽しくて刺激的だ。僕にとってとても大切な一冊が出来上がった。
協力して下さった方に心から感謝したい。
最後に、駒場祭立花ゼミの企画について宣伝して、前日の記事を終わりにしよう。
今日から三日間、沢山の人が来てくれますように。僕を発見したら気軽に声をかけてくださいね。
【東京大学 立花隆ゼミナール 2009年度駒場祭特別企画 「二十歳の君へ」 】
◆立花隆 最終講義 「二十歳の君へ」 11.22(日) 15:30-17-30 於.1313教室
(講演者:立花隆 総合司会:木許裕介 ディレクター:西田祐木 コーディネーター:内藤拓真)
20歳のころの経験で、人生は大きく動き出す。20歳前後に何を見て、何を読み、何をするのか。
文学・哲学・科学・医学…様々な分野の知を自由に越境し、縦横無尽に織り交ぜながら、「知の巨人」立花隆が贈る最終講義。
受験生や二十歳前後の大学生にはもちろん、小学生から大人まで楽しめるスリリングで知的な時間。NHKのカメラも入ります!
◆「二十歳の君への宿題」パンフレット
日本全国の大人から、二十歳の君へ200のメッセージ。一人ひとりの経験に基づいた、温かくも厳しい「宿題」が満載。
立花隆の「二十歳の君に贈りたい言葉」やゼミ生の「二十歳のころ」など、ここでしか読めない記事も多数収録。
ゼミ生:栄田康孝による駒場の四季をとらえた美しい写真と木許裕介のコラボレーションによる
フルカラー80ページのこの冊子、講演会に来場された方にはなんと無料で配布致します!
◆プリクラ&「壁」(21日から23日まで終日設置)
ついに東京大学にプリクラ機あらわる!ユータス君やゼミ生手作り東大グッズなど、東大ならではの小道具も準備万端。
サークルのライブや演劇のあと衣装のままで、模擬店のあとクラスTシャツのままで…みんなで写真を撮ろう。壁に落書きしよう。
自分の「今」をここに残そう。
クラスの宣伝MLに「総合司会やります」と書いてあるのを読んだときは、いつもながら「ちと待て」と思いました。いやはや。
今日会った時も言ったように、残念ながら明日は来られません。もしNHKで放送されるならまた教えてね。
そのパンフレットも欲しいな…
本日は、忙しい処、面白いお話を聞かせて戴き本当に有難うございました。
「灘高生の受験日記」(園池 靖著)を読みました昭和49年当時を思い出しました。
国語の先生がやる事なくて困っている事や、私自身の学力では、いくら考えても見当がつかない数学の問題をすらすら解ける。一日自宅で5時間位勉強しなければとてもやっていけない現状、アメリカの女の子がニューヨークタイムズの社説をどんどん授業でやる現状に「難しくて何も解らない。」と言っていた事を懐かしく思い出しました。
さて、今「二十歳の君へ」を読み返しています。内容もセンスも実に素晴らしいです。
資料もメール内容も実に豊富な題材に満ちあふれていると言う一語に尽きますね。
この内容を纏めるために授業に出る暇もありませんでしたと言う事も確かに納得が行きます。
出版業界へ就職を考えられるのもベターかも知れないですね。
立花先生は、私が高校時代(35年前です)「田中角栄研究」を発表されてからずっと名前は伺っておりましたが、
今日が35年たって初めて講義を受ける事ができた訳です。
知の巨人と称せられる大先生のもとで生きた講義を受けられると言うのは実に素晴らしい事です。
木許さんがサーフィンや楽器にも相当造詣が深い事もブログからよく拝察できます。
素晴らしい頭脳と行動力と活性をお持ちの貴方なら、立花先生を越えるような実績を残せる可能性も大きいと思います。
本日は貴重なお話をさえて戴いて有難うございました。
東大のブランドもすごいですが、灘中灘高のステータスも素晴らしい事です。
今後のますますのご活躍を心からお祈り致します。
平成21年11月22日
>北嶋さま
本日は冷たい雨のぱらつく中にも関わらず、立花ゼミ「二十歳の君へ」企画にお越し頂きまして
ありがとうございました。今日は会場撤収の時間が迫っていましたので、あまりゆっくりとはお話しすることが
できませんでしたが、終わってからお声をかけて頂きましたこと、とても嬉しかったです。
灘校は何かと謎の多い学校ですが、卒業してから改めて振り返ってみたとき、そのユニークさの根底にあるのは
「自由」と「責任」の共存、そして「多様性への暗黙の尊敬」ではないかという思いに至っています。
やることはやっておけ。あとは何をしてもよい。人は一人ひとり違う存在なのだから、お互いが「違う」ことを楽しみ、尊敬し、刺激を受けあって毎日を過ごせ。そんなメッセージがこの学校には脈々と流れています。
「二十歳の君へ」パンフレット、お褒めの言葉を頂きまして本当にありがとうございます!
デザインは全て僕がやりましたが、原稿の回収にあたっては、メールフォームの設置やデーターベースの整理など、
何人もの立花ゼミ生の持てる力を総動員致しました。パンフレットの内容が充実したものになったのはひとえに
ゼミ生の協力のおかげです。一方で、誤字・脱字など、至らぬ点も多々あると思いますが、長きにわたって傍に
置いて頂けましたら大変嬉しく思います。
立花先生の文章や講義については、僕の場合『脳を鍛える』や『僕はこんな本を読んできた』などで、中学・高校時代から目にしておりましたが、やっぱり「生」の講義は情報量が違います。立花先生に色々と直に教わることができるのが、僕にとって、東大に入って良かったと思う理由の一つだと言っても決して過言ではありません。
その読書量・行動力・瞬発力など、先生から学ぶことはまだまだ数えきれないほどあります。まだ将来の身の振り方は考えておりませんが、残された時間で出来る限りのことを先生から吸収し、立花ゼミの名に恥じぬ仕事をしたいと
思っている次第です。
メッセージを頂きましてありがとうございました。日々に埋没することなく、一日一日をきらきらと輝かせ、
精一杯に時間を過ごして参ります。
>ばーど
総合司会、とても楽しく話させて頂きましたよ。司会といってもイントロを話したり最後をまとめたりするだけ
ですが、400人の方を前に立花先生の名前を背負って話したことは良い経験になりました。
パンフレットの方は明日から一部500円で販売する予定です。もし23日に駒場にくるようでしたら13号館の前で販売しますので、ぜひ。