後期教養学部(文系)のガイダンスがあったので出席してきました。
11号館の広い部屋に集まったわけですが、ざっと見て100人はいないぐらいの人数。後期教養の人数の少なさにビビったりもしますが、
見知った顔もちらほらとあって少し安心します。同じクラスで教養進学を決めた仲間たちと握手をして祝福しあったあと、
教室をぼんやりと見渡してあることを思い出しました。そういえばこの教室は、僕が一浪目に東大を受験したときの教室だった。
あれから三年。早いものですね。あの頃の自分と比べて何か成長したのかな、などと考えると、過ぎた時間の中にあった出来事に
色々と思うところがありました。
全体ガイダンスでは、さまざまな先生によって「横に広く見ること」 「学問をつなげること」 「卒論しっかり」 「語学大変だよ覚悟しな」
などのアドバイスや脅しを頂きました。そのあと各学部に分かれてのガイダンスがあり、僕は進学先である地域文化研究科の
ガイダンスを聞いていたわけですが、各地域(アメリカ・ラテンアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・ロシア・アジア)のコース主任の先生に
よって為される挨拶がまさに「その地域っぽい」挨拶ばかりで笑ってしまいました。(ドイツが一番シュールでした。)
わざとなのかもしれませんが、それでも言語が各学科の雰囲気に影響しているのは確かでしょう。
そのあと、志望する各小地域に分かれて学部生室でのガイダンス。
どこの地域に進学するか悩んでいる人はいくつも回っていたようですが、僕は最初からフランスと決めていたので迷うことなくフランス科
の部屋へ突入。結構な冊数の本が棚に並んでいるのが目に入り、「おっとデリダの『触覚』がこんなところに。」などと思いながら
先輩方に案内されるまま席につきました。見渡すと内定生でフランス科に興味を持って来たのは僕を入れて6人で、先輩方の人数も6人
ぐらい。そこにフランス科所属の先生方と教務補佐の方が合わせて5人いらっしゃり、その少人数制にちょっと圧倒されます。
ましてや第二外国語ドイツ語で飛び込んで来たのは僕だけでしたし、過去にもそんなに例がないらしいので、冬学期に相当の勉強を
しておかないと大変なことになりそうな気配を感じます。まあ明らかに予想された展開ではありますが(笑)
自己紹介の際にフーコーのbio-politiqueのことについて触れたら、デリダをご専門にされているM先生があとで話しかけて下さり、
フランス現代思想トークでちょっと盛り上がったりもしました。副専攻制度についても色々と裏ワザ(「テーマ専攻」といって、自分の興味
にあわせて学科横断的にプログラムを組むことができるそうです。最初から研究テーマが決まっている人にはとてもいい制度ですね。)
があるようで、先輩方からそのように様々なワザを聞いたりして時間を過ごし、挨拶をして部屋を後にします。
いやー、しかしこの学科は大変そうです。演習の授業でラカンのセミネールを読んだりしているそうですが、日本語で読んでも難解な
あのセミネール(フランス語文献の中でも屈指の難解さで有名でしょう)を果たして読めるのか。
セミネール以前に、一ヶ月後の歓迎コンパでフランス語でスピーチしろと言われたので、それも考えておかねばなりません。
日本語ならいくらでも話せるんですが、フランス語となると小学生レベルになってしまいます・・・困ったらカルメンのセリフやヴァレリーの
名文でも引用してやり過ごすことにします。
ガイダンスをすべて終了したところで、ガイダンス中に仲良くなったアメリカ科進学予定の友達I君から「ビリヤード出来ます?」と電話が
かかってきたので、二つ返事で一緒に行くことに。I君の友達と、それから僕と同じクラスから地域(たぶんアメリカ科)に進学したT氏も
一緒でした。I君はビリヤードサークルに入っていると聞いたので、久し振りに真剣に突けそうな予感にワクワクしながら下北沢へ移動。
I君と8ボールをずっとやっていましたが、彼は弱い力加減のショットが大変うまく、厚みも近いところは良く見えており、結構な腕前です。
イージーな配置に持っていくと二つ三つは軽く取ってくるので、あまり手が抜けない。僕自身、本気で球を突くのは久し振りですぐには
調子があがりませんでした(入れは良くても出しの精度がかなり落ちていました)が、二セットほど突くうちにクッションの感覚や
ハウスキューの回転の乗りを掴み(とはいえ、いつもマイキューに強烈なドローのかかるメウチを使っているので、ハウスキューのドロー
がどこまで引けるか全く分からず最後まで怖かった)、6-2でなんとか勝つことができました。ゲームをこなすうちにI君とも仲良くなり、
「ビリヤードを通じてほぼ初対面の人と仲良くなれるなんて、やっぱビリヤードはいいよね」なんて話をしながら解散。
初日にして地域文化研究科ビリヤード同好会が出来あがったような感じです(笑)
フランス語の学習は一筋縄ではいかなさそうですが、地域文化研究科のアットホームな雰囲気は大いに楽しめそう。
まだ授業は始まっていないものの、今の時点で自分の進学先にはとても満足しています。あとは語学!