GW最終日は残念ながら雨の一日になりそうだ。今日は大人しく家にいることにしよう。
というわけで、開封したばかりのグァテマラで熱い珈琲を淹れたあと、棚からこのCDとスコアを引っ張り出してきた。
モーツァルトのピアノ協奏曲、6番と7番(三台ピアノ)と10番(二台ピアノ)。
グラモフォンより、1987年の録音。
ガーディナーの指揮で、ピアノはビルソンとレヴィンとタン。
いずれもフォルテピアノを用いた古楽演奏である。
モーツァルトのピアノ協奏曲には数多く名盤があると思うが、
フォルテピアノを用いた演奏の中ではこれが一番好きだ。
軽やかでいて、陰影に富む。
さらっと駆け抜けるように聞こえて千変万化するニュアンス。
三台ピアノの掛け合いは聴いていて最高に気持ちいい。
10番の二・三楽章なんて何度聴いても飽きない。
僕はこのコンビ(とりわけビルソン)のフォルテピアノの音を聴くたびに、
いつも「米」を思い浮かべてしまう。丸くてポロポロっとした音、ふわっと膨らんで
きそうな優しい音が白米のように感じるのだ。(七番の一楽章などは特に。)
グランドピアノで演奏した時の光る粒を転がすような音ではなく、
ここにあるのは艶消しされた乳白色の音の粒である。
管弦楽もザクザクっとした魅力に溢れており、決して重苦しくはならない。
6番や7番などは他のピアノ協奏曲に比べてマイナーな部類に入るだろう。
だが、有名な20番や27番に負けない素晴らしい魅力を湛えている。
是非聴いてみて下さい。雨の日でも思わず笑顔になってしまうこと請け合いです。