March 2015
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永遠の前奏曲

 

明日に本番を控えて、あるアンコール曲の、自分のはじめての演奏動画を四年ぶりに見た。

なんと素敵な仲間たちと演奏できていたのだろう。棒にどれほど反応してくれていることか。

何よりも自分の未熟さに苦笑しつつ、ひたむきな必死さに何故か泣けてくるのだ。

全身でそこにある時間を味わい、棒を振ることを通して「何か」を生み出そうと格闘している精一杯の自分がいた。

それは拙いが、決して醜くない。いつまでたってもこれが原点であり続ける。

節目が訪れるたびに僕はこの曲を取り上げるだろう。そして、そのときにはいつも、演奏前夜にこの最初の動画を見直すことだろう。

 

明日は明日にしかない演奏になることを確信する。

あれから四年経ったいま、こうして棒を振ることが出来ることに、この曲を再び演奏することが出来ることに心の底から感謝しながら。

別れと出発を告げる響きよ、明日の一瞬に宿れ。

 

ひとつひとつ

 

宝塚でのリハーサルを終えて、とある関西のふたつの大学のオーケストラの指揮者候補として、自分の名前が出ていたということを聞いた。

そうして名前を挙げて頂いたことが本当に嬉しかった。これからも見返りを求めず、ひとつひとつ丁寧に全力でやっていくのみ。

近況

 

2月14日から3月11日まで、マニラとカンボジアを回って、Worldship Orchestraとマニラ交響楽団、およびカンボジアのアンコール・ユースオーケストラとの合同演奏会を指揮していました。

全部で10公演。マニラでは、昨年に共演したマニラ交響楽団の奏者の方々から「待っていたよ!!」と迎えて頂たり、パイレーツ・オブ・カリビアンでリザールパークが揺れるような演奏をしたり、

マニラ空港にタクシーから飛び降りてダッシュすることになったり、色々なことがありました。もちろんカンボジアでも色々あって、皇太子さまはじめ御皇族の方々の前で演奏させて頂いたり

アンコールワットの近くで即興演奏をしようとしたら捕まりかけたり(演奏に際してはカンボジア政府公認を頂いていたので事なきを得ました。むしろ最後には歓迎して頂きました)

ひとつのエントリーで書ききることは出来なさそうですが、海外を回って指揮するうちに強く強く思ったのは、僕はやっぱり音楽をしていたい、指揮者として生きて行きたいということでした。

日本に帰って来てからもその気持ちは変わっていません。長く続いた学生生活も3月で終わりにします。 それで生きて行けるかは分からないけれども、生きて行けるように自分を磨くしかない。

 

帰国してからも3月20日に東京で、22日に宝塚でコンサートが控えている関係で、休みなく毎日東京と宝塚を移動してリハーサルをし続けています。

落ち着いたころにまた、ゆっくりと時間を取って文章を綴りたいと思っています。ひとまず無事帰国のお知らせまで。