ヘルマン・ヘッセの『庭仕事の愉しみ』に出会って衝撃を受ける。
庭のことを考えて、庭を必要としていることに気付く。
しかし今は「満開の花」という一篇を引用するに留めよう。
桃の木が満開だ
どの花も実になるわけではない
青空と流れる雲の下で
花たちはやわらかにバラ色の泡と輝く
桃の花のように想念がわいてくる
日ごとに幾百となく
咲くにまかせよ 開くにまかせよ
実りを問うな!
遊びも 童心も 過剰な花も
みんななくてはならぬものだ
さもないとこの世は小さすぎ
人生になんの楽しみもないだろう