Toute fin n’est jamais qu’un commencement. (どんな終わりも、何事かの始まりに過ぎない。)
終わりと始まりは同時に訪れる。この楽譜を開くということは、一つの終わりが近づきつつあることを意味している。
ついにこの曲を勉強する時が、そして振るときが来てしまった。もちろん僕には早すぎる。おそらく永遠に早すぎるままだろう。
少しでも近づきたい気持ちと、現実を認めたくなくてまだ遠くにいてほしい気持ちとが激しく交錯している。
僕がこの曲に命を注げば、病床にエネルギーが届く気がする。そう思うのはメルヘンにすぎるだろうか。
それでも何故か意地のようになって、起床してから日が変わる前まで、ひたすらこの一冊に向かい続けた。
僕の人生が一年短くなってもいい。どうかあと少しの時間を。