March 2013
M T W T F S S
« Feb   Apr »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

学問の師に出会う/大学院へ

 

この人にずっと教わりたい、という「師匠」のような存在に、学問でも音楽でもスポーツでも巡り会う事が出来たというのは

たぶんこれ以上ない幸せなのだろうと思う。それはただ技量や実力を盗みたくて側にいようと思う存在のことではない。

知性や感性はもちろん、佇まいから趣味まで含めて、感動し、憧れる存在のことだ。

スポーツ(ボウリング)の師に僕は17歳で巡り会った。そして音楽の師に22歳で巡り会った。

そしていま、理性と直感の二つで「この人だ!」と思えるような学問上の師に、学部時代の最後になって出会うことが出来た。

だから僕は、働くことを少し後回しにして、大学院へと進学する事を決めた。

 

学部時代の所属である東京大学の教養学部地域文化研究学科フランス分科は卒論をフランス語で書かねばならないという

非常にハードな場所だったけれど、そこで得たものは大きく、また適度に放し飼いにしてくれる姿勢が僕に取っては居心地が良いものだった。

けれどもあえてその場所を飛び出し、巡り会った先生がいらっしゃる東京大学大学院の比較文学比較文化専攻へと歩みを移そうと試みた。

(ちなみに、尊敬する学者であり、フランス科へ進学することを決定づけた金森修先生は

同じくフランス科から大学院で比較文化へと進学されている。はからずもこうして偉大な先生の跡を辿ることになった。)

 

今日ようやく合格発表を終えた。そうして、正式にこの大学院進学が決定した。

きちんとした名称は東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻比較文学比較文化分野。

長すぎて覚えられないほどだが、とにかく春からもまた相変わらず駒場で勉強する事になった。

専門は19世紀末周辺の比較芸術、あるいはフランスを中心とした文化史ということになるだろう。

卒論でも取り組んだ「光」を切り口に、世紀末の音楽や絵画、文学や詩を比較横断して、ある種の感性史に取り組む。

指揮活動(ある意味で比較芸術そのもの!)とも連続性を持てる研究領域なので、学問と音楽とを上手く触発させていきたい。

そして、長く駒場にいるからこそ、駒場という場所を充実させていきたいと思う。

 

蛇足かもしれないが今の一つの夢を書き残しておこう。

それは緑豊かな駒場キャンパスで、解説や論考と共に、曲のもとになったハルトマンの絵を展示しつつ、

ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲の「展覧会の絵」を演奏することだ。

音楽と絵画が響きあって生まれるイマージュの交感の探求と実践!