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旧友たちと。

 

中学校・高校時代の同級生たち四人と遊ぶ。

彼らとはなんと小学生の時に通っていた塾のころから知り合いで、もう十年以上もの付き合いになる。

 

中学一年生のころを思い出す。

テスト前日にも関わらずその友達の家にみんなで押し掛けた。

「テスト勉強をする!」というのはもちろん口実、最初の30分だけ机にみんなで向かったあとはひたすら任天堂64のスマブラをやり続けて

翌日のテストを悲惨な結果にした。別の日にはひたすら007ゴールデンアイで弾を打ち続け、その滑稽さと面白さに涙が出るほど笑った。

マリオカートをやってはショートカットコースを研究するために何度も何度も同じコースを走りまくり、

マリオテニスをやってはコントローラーのスティックが折れそうなぐらい熱中した。そんな中学生時代を僕らは過ごしていた。

 

 

 

12年後、24歳。

あの時と同じ友達の同じ家で、同じゲームに興ずる。

弁護士、弁護士、会計士、医者、指揮者(?)…五人はそれぞれ自分の進む職業やパートナー、あるいは熱中するものを見つけ、

それぞれの人生を生きていた。12年前とは違う風貌、会話、たたずまい、手にはお酒。

けれどもゲームが始まると12年前と何一つ変わらない叫びをあげ、笑い、本気になり、真剣に遊ぶ。

ゲームを触るのは久しぶりだったけれども、身体が自然と操作を思い出し、微妙なタイミングすら勝手に調整出来てしまう。

そして何気ない瞬間に「ああ、こいつはこんな奴だったなあ」とかつての記憶が蘇ってくる。一緒にバカをやった時間がありありと浮かんでくる。

笑うフリをしながら、記憶とともになぜか込みあげてくる涙をこらえていた。

 

 

 

色気のない六年一貫男子校だった。

でも、だからこそこうしてサバサバと、しかしガッシリと縁が続いていくのはとても素敵なことだ。

「真の友人とは連絡をこまめに取り合う人ではなく、久しぶりに再会してもかつてのように接することが出来る人間のこと」

そんな言葉を聞いた事があるけれども、まさにそういう関係なのだと思う。

 

さて、次に会うのはいつだろう。そしてまた12年後にはどうなっているのだろう。

日が変わる頃に解散し、ひとり静かに闇夜を歩く帰り道、

今年はじめての雪が落ちてくるのを手にそっと受けとめた。