Odette Toulemondeという映画を観た。
人気作家が新作を評論家にけちょんけちょんにやられ、凹んでいたところ妻に浮気され(しかもその評論家と)、絶望したところに、その作家のファン(未亡人)からの手紙が届き、
心を動かされていく、というラブストーリー。冒頭のdebtのところから爆笑させてくれるし、最後まで肩の力を抜いたまま観させてくれる一本だ。
随所に配された台詞が洒落ている。「傷つきやすいから書けるんだ。」という一言には頷かされるし、いくら売れっ子になっても大切な人に
「結局、尊敬されていないのさ!」と叫ぶところ、色々な記憶に訴えかけてくるものがある。
「何を手に入れても僕は幸せじゃない。自分じゃなくて他人の幸福を生きて来たからだ。」
「運命の人以外とは寝ないの。あなたは通りすがりの人よ。また出ていくわ。」
詳しくシナリオを書くことはしまい。オデット・トゥールモンドを演じるカトリーヌ・フローのどこまでも強くどこまでも柔らかく明るい物腰に心打たれる。
そして最後にふと気付いた。カトリーヌ・フローは母に少し似ているな、と。
そのせいか、病院に運ばれるシーンでは(こんなに単純なシナリオなのに)ちょっと涙ぐんでしまった。