昨日掲載した、「花火の後に。」という掌編が、ものすごい勢いでページビューされているそうで、びっくりしています。
Twitterの方に書いて纏められたもの http://togetter.com/li/37528 が、3日ちょっとで10000ヒットを突破しました。
筋は単純だし、よくある展開と言えばその通りなのですが、これだけのアクセスがあるというのは何か人の心に触れる部分が
あったのかもしれません。おそらくそれは、この掌編が、Twitterという短い枠内での表現だったことにあるのではないかと思います。
短い文字数で書かれた文章は、人にどのような印象を与えるか。それは第一に読みやすさであり、簡潔さであり、歯切れの良さでしょう。
一方で、短い文字数だと冗長な形容や描写を避けざるを得ないので、自然と表現が切り詰められてきます。
僕は小学校の頃から作文や小説、エッセイなどを書いてきましたし、物書きという職業にも漠然と憧れを抱き続けてきましたが、
140字を積み重ねてこのような掌編を書いたのはこれが初めてでした。140字はとても短いように思えるし、事実短いのですが、
いざ書いて見ると、結構な情報量を詰め込むことが出来ます。書きながらふと、東大の入試問題を解いている時を思い出しました。
140字。東大の解答欄、とくに歴史系では5行足らずの文字数で、ちょうど世界史の中論述や日本史の論述問題に多く見られる
文字数なのです。余計な事を書いているとあっという間に字数がオーバーしてしまいます。つまり、狭い枠の中に必要なことを簡潔に
盛り込んで述べる必要があり、また、表現を変えたり句読点や漢字変換を工夫したり、「削る」技術を活用せねばならないという点では、
Twitterで記述することとと東大現代文や世界史・日本史を解くことの間には、共通した感覚があると言えるかもしれません。
今回の一万ヒットオーバーはとても驚きでしたが、「これからも文章を書いて何かを発信して行こう。」と思える、
とても良い刺激になりました。お読み頂いた方々、ありがとうございます。
短い言葉とセンテンスを積み重ねつつ、それでいて息の長いフレーズ。スピード感と浸透力。
読んだ都度、映像に変換されていくような文章。練りに練った言葉のデッサン。
拙いながら、そういう文章をこれからも書いてゆきたいと思います。