January 2010
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感じて、振る。

 

今日はフレッシュスタートのミーティングに参加して、グループワークの内容を練ってきた。

僕の班のJr.TAは工学系の院生の先輩と僕のふたり。全く違う領域の専攻なので、お互いの専攻の話を聞いているだけで

あっという間に時間が経つ。

 

その中で色々と案を出し合ってみた結果、基本的な構成は「アイスブレイク(兼・自己紹介)+ディスカッション」で良いだろうという

事に落ち着き、その上で1.自己紹介をしながら質問を一つしてもらう 2.ディスカッションは小さなグループでやってから全体でやる

という工夫をすることにした。ディスカッションのテーマは確実に全員が話題に参加できるようなもの(たとえば、文理の学問の違いを

考えてもらいながら個別の学問分野の話に結び付けてゆく、といったような)を考えておくが、それを使うかどうかはその場の雰囲気次第。

質疑応答で面白い話題が出ればそちらで広げる。

 

なんだヒネリがないなあ、と思われるかもしれない。が、最初からヒネリまくって、やたら難しいディスカッションのテーマなどを決めてしまい

身動きが取れなくなってしまうのは避けなければならないから、これがベストだと考えている。フレームはフレキシブルにとどめておいて、

状況次第で最適な方向へ変形させてゆく。シンプルな枠組み+柔軟なアドリブで我々の班はグループワークを進めてゆくつもりだ。

 

 

ミーティング後、しばらく指揮の予習をしたあとレッスンへ。最初のアウフタクトの一音だけで五回ぐらいダメだしを喰らったものの、

なんとかベト1二楽章の半分ぐらいまで進んだ。指揮をすることは音楽を生むことであるが、往々にして、次の音を出すのに必死になって

今鳴り響いている音を聞く事が出来なくなる。ある指揮者が(確かハンス・フォン・ビューローだったと記憶している)

「指揮者は頭にスコアを入れなければならない。しかし悪い指揮者はスコアに頭を入れる。」という言葉を残している。蓋し名言である。

生みだした音を聞きながら、次の音を創造する。それは「この音符ならこう振る」という単なる作業や決まり切った技術ではなくて、

音という「見えない何か」を時間と空間の中で捕まえて、対話していることに他ならない。

 

僕の師はよく、「感じなければ駄目だ。指揮者が感じていなければ、どんなに振っても音楽が鳴るわけがない。」とおっしゃるが、

その意味が徐々に分かりつつある気がしている。(今日は「もう一歩だ。もっと湧き上がってくるように。もっと深いところから。」と言われた。)

音楽が鳴る前に音楽が鳴っているような感覚、次にどんな音が鳴るかが分かる感覚。師を見ているといつも思うこの不思議な感覚を

少しでも早くとらえたい。そして、もっと深いところで感じて振れるようになりたい。

 

僕に残された時間はそう長くない。だから写真のように記憶し、スポンジのように吸収する。一言一句逃さない。

 

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