July 2009
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テスト終了!

 

 と喜んでみたものの、まだレポートが数本残っている。まあとりあえず、いわゆる「テスト」は終わったので一安心。

しばらく昼も夜も無い生活をしていたが、これで少しはまともな生活が送れそうだ。

 

 テストが終了したということで、昨夜は和館で上クラの人たちとコンパをした。

コンパと言っても、僕はレポートに追われていたので、酒を飲みつつレポート作りつつ喋りつつ、という何ともハードなコンパに。

途中で音楽室へ行ってハイドンのピアノ協奏曲の三楽章をソリストと一緒に組み上げていった。

軽く音を出すだけという話だったのだが、いつのまにかお互い真剣に。まず最初は、ソリストが弾くのを何度もよく聴く。

次に、僕の解釈とソリストの解釈とを擦り合わせながら、テンポやニュアンスをつけていく。三楽章はカデンツァがない代わりに

短調へ転じる部分が最大の聞かせどころとなる。ここを、聞き終わった後に「あそこが忘れられない」と言わせるような演奏にしたい。

だから最初のトリルだらけの転調部は少し重めの音で弾いてもらった。その上で第二音であるミの音を強調してもらう。

214小節目からはカデンツァのような扱いでいいと思う。オケは完全にリズムを刻んでいくだけで、その上でピアノが自由に

駆け巡ればいい。胸を締め付けられるようなニュアンスで、でも振りかえることなくサッと流れて行くような音をお願いしたら

ソリストが完璧にそんな音を出してきて感動した。やっぱり一つの楽器を真剣にやっている人の音は違う。これは完成が楽しみである。

 

 良く知られた話ではあるが、実際に音を出してやっていると、やっぱり指揮をするには言語能力が絶対的に必要だなと感じる。

頭の中で聴いている音と、実際に鳴っている音との違い。それから微妙なニュアンス。これらを何とかして「相手に」伝えなければ

ならない。そのためには自分で歌ったり、身体で動きを示したりして伝える事もあるが、やはり一番大きいのは言語による伝達だ。

映像的な表現を使ってみたり(秋の風がさーっと吹いて落ち葉を巻き上げるイメージで、とか)音楽と全然関係ない比喩を使ってみたり、

持てるボキャブラリーを総動員して何とか相手に「伝える」。これは指揮法の教程をいくら読んでも書いていない。優れた指揮者に

なるには音楽以外の要素が要求される、と言われる所以の一つであろう。マエストロと呼ばれる指揮者のリハーサル映像を

見ていると、この「言語化して伝達する能力」が抜群である事に気づかされる。何とかしてこの能力を磨いて行きたいと思う。

何十回か合わせた後、先輩のHさんにオーボエのパートをフルートで吹いてもらい、弦のパートを僕が歌って合わせつつ振った。

最後は胸のすくようなトゥッティ。音楽に真剣に打ち込めて、非常に充実した時間だった。

明日から波乗りに行くのでしばらく音楽は出来ないが、ポケットスコアを持って行って、寝る前には勉強しようと思う。

海辺でスコアを読むのも悪くない。あ、でもやっぱりやめよう。潮風でふにゃふにゃになりそうだ。

 

 そういえば先日、「討議力」というテーマでインタビューを受けたのだが、その様子を纏めた雑誌がネットで読めるようになっていた。

電通育英会 http://www.dentsu-ikueikai.or.jp/ の中の育英ニュースVol47(2009年7月号)がそれだ。

11ページあたりから掲載されているので、お暇な方はPDFファイルをダウンロードして読んでみてください。