民法(法Ⅰ)のテストが終わった。「隣人訴訟判決について10行から15行で、指定語句に下線を引いた上で論述せよ。」
という問題があって、何となく東大入試の世界史第一番を思い出した。入試のとき、下線を引くのを忘れていないか妙に気になったのを
覚えている。しかも本番の解答用紙のマス目はかなり小さいので、僕のように悪筆かつ字が大きい人間には、このマス目が
最大の難関となった。しまった間違えた、と思って一行消すと、上の一行や下の一行まで消えてしまう。これに対処するため
ペン型の細い消しゴム(TOMBO MONO ZERO)を直前期になって購入した。この消しゴムによってかなり助けられた感がある。
国語の解答欄にも有効なので、東大入試を受けなきゃならない人にはお勧めです。
そんなわけで一つテストが終わったので、次のマルク・ブロックとアナール学派についてのテストまでは
山のように溜まっているレポートを書いていくことにする。各レポートのテーマはだいたい決まった。
記号論はバルトの「神話作用」に依拠して、デノテーションとコノテーションの概念から現代のモードを分析するというテーマで
書くつもりだ。基礎演習で書いたテーマを発展させ、見方を少し変えた内容である。
表象文化論はパフォーミング・アートについてであれば何でも良いそうなので、趣味に走った内容にしてみようと思っている。
タイトルだけは先に決めた。「カルロス・クライバー、舞踊的指揮と指揮的舞踊」というタイトルである。中身はまだ全く書いていない(笑)
生権力論は以前書いた「マスクと視線の生政治」というテーマで、TONFUL騒動について生権力・生政治の観点から分析する。
ついでに少し前にここに挙げた(「生命倫理会議」というエントリーで)「臓器移植法A案」をビオス/ゾーエーの観点で捉えてみる、
すなわち「A案が極めてゾーエー的な内容である」という事もこのレポートに入れようと思っていたが、某女帝に
「その内容で書こうと思ってたからやめて」と言われたので大人しくやめておくことにしよう。
美術論は年代の限定がキツイため、下手をすると扱う画家がみんなと被ってしまう。有名どころは大抵被るだろうと読んで、
昨年出会って衝撃を受けたマリー=ガブリエル・カペの自画像で書くつもりだ。この女性はほとんど無名の人だが、「自画像」の魅力は
凄いものがある。輪郭がどうだとか、眼が綺麗だとかを超えて、「美への自信」が感じられる。一度見ると忘れられない。
あと、神道についてのレポートを書かねばならないのだが、こちらのテーマも何とか決まった。
神道を語る上で外せないであろう、「雅楽」について比較文化論的に書く。(ただし時間が無ければ諦めるかもしれない。)
「雅楽」について調べると、面白い事が大量に出てくる。西洋の音楽との比較だけでも十分面白いし、その性質からして
宮廷文化史とも関わっているから、「雅楽」的なものが伝播した地域の宮廷文化史・王朝史を比較するとそれぞれの特質が見えてくる。
話は全然変わるが、先日、AKGのK-702というヘッドフォンを購入した。定価の30パーセントという超破格値でゲット。
姉妹機のK-701(やたら売れているらしい。アニメ「けいおん」で、あるキャラがつけていた事が理由だそうな。)と違ってシックな色合い
かつケーブルが取り外しできるようになっている。購入当初は音がやや曇っていて、値段ほど音場に拡がりが感じられなかったが、
しばらくエイジングしていると音場がどんどん広がって、高音の抜けも素晴らしいものになった。楽器の位置がはっきり分かる。
前に使っていたヘッドフォンATH-A900と違ってオープンタイプであるから音漏れは盛大だが、そもそも自宅でしか使わないし、
オープンタイプの良さが存分に感じられるものなのでこれで十分だ。K-702はフルオーケストラにも合うけれども、小編成の室内楽的
な曲にこそ、その真価を発揮しているように思う。ピアノ・トリオにも最適だし、編成の小さなコンチェルトなんかも素晴らしい。
特に、これで聞くハイドンのピアノ協奏曲は絶品だ。今度これを振る事になるかもしれないので、今日はスコアを眺めつつ演奏者を
取り換え取り換えひたすらリピートして聞いている。おかげでレポートが全然進まないが、アイデアはいつもこのような時間から
生まれるものなので、それでいいのだろう。Und die Ideen? の答えはlange Weile、そしてLangweileなのだから。