2013.07.05 しっとりと描かれる感情の波-猫田リコ『恋に落ちるわきゃないし』 向井が作中で立ち止まりながら感じていたやるせない悲しみは、若さとか勢いだけで解決することができない、Moraesの言うところの「終わらない悲しみ」なのだ。巻末の描き下ろしで描かれる向井の最後のセリフは、今向井が感じる幸福が、少しでも長く続くように願う祈りの言葉である。 →
2013.06.02 これは友情?それとも愛情?-「海の時計」あとり硅子(『あとり硅子短篇集 4 眠れない夜』新書館, 2006) あとり先生の描くキャラクターは、そのようなことを全くしていないのに、何かでしっかりと結ばれている。確かに確固たる関係が、二人乃至複数人の間に存在するのだ →
2013.04.22 悲喜交交-『泣き顔ミマン』猫田リコ 話の筋は決して奇をてらったものではない。しかし何度か読んでいるうちに、じわじわと猫田先生のよさが伝わって来て、気がつくと繰り返し読んでしまうのだ。 →
2013.03.19 「うむ、悩みたまえ!若者よ!」-『花畑と別れ話』小嶋ララ子 二人の親友のあきちゃんは作中「わかんないの 怖いの 恋って怖いの!」と涙をにじませて言うが、そういうことなのだろう(断定的でない所はお察しください) →
2013.03.19 「BLレビュー」企画紹介 この企画の趣旨は気に入ったBLのレビューを定期的にゼミのホームページにあげることで、その作品の紹介およびゼミのホームページの活性化を図ることです。 昨年1月 「ゼミのホームページが更新されない!レビューでも … →
2012.10.24 Dieu réunit ceux qui s’aiment…-「図書館で会いたい」今市子、「僕の初恋について」高永ひなこ 結ばれない商業BLって探しても探してもなかなか見つからない。 →
2012.09.24 若さって、若さって…-『成長痛』 梶ヶ谷ミチル 誰だってそんな青い時代を過ごしているのに、二人の姿がとても新鮮に映る。でもこれってもしかしたら逆説的に私達の老いを表しているのかも。 →
2012.07.01 ビターなものと一緒に読みましょう-『ワルイコトシタイ』シリーズ 桜賀めい あがるーあがるーよ、消―費―税― 『川の底からこんにちは』の「しじみ工場の歌」が頭にこびりついて離れません。東京と埼玉の境目からこんにちは。見聞伝更新停滞の隙間に出現するBLレビュー、最近もいい具合に更新が停滞してきまし … →
2012.06.01 老体にフェンス越えはきついです…-『あっちとこっち』腰乃 見聞伝更新停滞にかこつけて毎回更新しているBLレビュー、気が付いたらもう第5弾… いやはや、恐ろしいものですね。もう少ししたらまた一つ歳を重ねてしまう…ああ、嫌だなぁ… 「若さへの嫉妬は永遠のテー … →
2012.05.01 どうか二人が幸せになれますように-『初恋のあとさき』日高ショーコ 毎月一日はやおいの日!ということで、今回も見聞伝更新停滞にかこつけて始まりました。BLレビュー。みなさんGW真っ盛りですがいかがお過ごしですか?ほどよく涼しく、ほどよく暖かく、行楽には最適ですね 飢えだも洗濯物を干しつつ … →