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政治企画 糸数慶子議員取材




2.沖縄基地問題の現状


日本政府はアメリカの政策や態度に追従して、本来あなた方と同じく日本国民である沖縄県民を、守ろうとしていません。


今年(2011年1月17日)に、沖縄県で19歳の与儀功貴君が、米軍属の起こした衝突事故で亡くなりました。この時、日米地位協定によって軍属は日本の裁判では裁かれず、那覇地検で起訴は却下されました。それで与儀君のお母さんが那覇検察審査会に訴え出て、私たちも支援していましたら、検察審査会でも起訴相当勧告が出たので、再度地検に訴え出ました。
(※その後2011年11月、日米両政府は、米国が今後、刑事訴追しない場合は日本側で裁判できるよう日米地位協定の運用を改善することで合意した。地検は、男性軍属の事故についても日本側が裁判権を行使できるよう要請し、例外的に米側が同意した。―MSN産経ニュース2011/11/25 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111125/trl11112510370003-n1.htm

与儀君の事件では、地位協定の不平等性が問題となっています。この訴訟の結果はどうなっていくかまだ分かりません。ですがこれを見ても分かるように、アメリカは自国民を守るために必死なんですが、日本政府はそうではない。

2004年に沖国大(沖縄国際大学)にヘリが墜落した時(宜野湾市HP ?沖縄国際大学への米海兵隊ヘリ墜落事故から6年をむかえて市長コメント http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/27998/39296.html)や、95年の少女暴行事件(参照:Wikipedia『沖縄米兵少女暴行事件』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%B1%B3%E5%85%B5%E5%B0%91%E5%A5%B3%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E4%BA%8B%E4%BB%B6)でも、そうです。沖縄の大学や少女が被害にあったというのに、日本政府の動きは遅かったです。ヘリ墜落では当時の小泉首相は夏休みだと言って訪沖が遅れましたし、暴行事件では当時のクリントン大統領が謝罪してからようやく首相や外相が謝罪しました。

米軍で、多くの犠牲者を出して安全性に疑問のある、オスプレイという軍用機があります。つい最近まで、日本政府はこのオスプレイを普天間に配備すると答えなかったんです。ところが、オスプレイ配備が技術的に可能になったとアメリカ側が発表すると、政府や防衛省はいとも簡単にアメリカの言うことを聞いて、県議会でもオスプレイ配備反対を決議しました。このことは今日の地元の新聞にも出ています。(沖縄タイムス『県議会 オスプレイ反対決議』2011/07/15 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-07-15_20543/

政府もそうですが、本土のメディアも沖縄問題には無関心です。

ヘリ墜落事故だと、当日のNHKのニュースですら、事故の報道は後回しでした。オスプレイに関しても、先ほども申しましたように非常に安全性に疑問がありますが、本土のメディアでは「安全でCH53ヘリと比べると安全だ」と評論家が言っています。私たち県民は、真実を伝えない本土のメディアも、とても許せない。けして県民の立場に立っていない。どこの視点に立ってどの立場で紹介しているんですか。

このように、本当に沖縄問題というのは薄められているんです。

復帰の時に予想された基地の整理縮小はされずに、今も普天間の基地を押し付けられている。95年の少女の事件が起こったにもかかわらず、SACO合意(http://plus.yomiuri.co.jp/article/words/%EF%BC%B3%EF%BC%A1%EF%BC%A3%EF%BC%AF%E5%90%88%E6%84%8F)が成立したにもかかわらず、またも沖縄に押し付けようとしている。この不条理・不平等を変えるためにも、地位協定を改定してほしい。これは、日本の国民である沖縄県民のための条約じゃないんです。戦後すぐならともかく、戦後66年経っても全然改定されずにここまできている。

与儀君の事件の後でも、地位協定が全く改正されていない。なぜこれが変わらないんでしょうか。だからこそ、社会大衆党の存在意義がある。本来ならこんな問題が無くなれば社大党はなくなってもいいんですが、悲しいかなですね。