KENBUNDEN

合コンから貧困まで 東京大学見聞伝ゼミナール公式サイトです

トップページ > Reports > 「夜は短し歩けよ学生企画」第一回レポート

Reports

「夜は短し歩けよ学生企画」第一回レポート

6月30日木曜日 午前0時45分

巨大都市東京の片隅、静まり返った駒場キャンパス

鈍い鉛色の雲が、空を覆っている 湿り気を含んだ風が、時折吹きぬける

ここから、たった一夜の、五人のゼミ生の、ちっぽけな冒険がはじまる



・・・という書き出しにしてみましたが、まったくの思いつきのこの企画。説明の必要も(そもそも説明自体も)ありません。深夜の東京を歩いてまわろう!という企画です。

「深夜の東京を観光してみたい」「終電逃した後の東京散歩!」的なノリで実行にまで至ってしまいました。行く先も、参加者も未定のまま当日を迎えましたが、5人の好奇心旺盛なゼミ生たちと、夜の東京を徘徊してきました。

以下、その体験レポートと、自分の個人的な感想などを記したいと思います。

ゼミのアフター終了後、0時45分に駒場に集合、出発。

鳥居さんの提案から、とにかく東へ向かい、朝までに築地まで到達し、海鮮丼でも食べて解散しようということに決まり、歩き始める。

まずは渋谷へ。みんなの深夜テンションやばい。これから朝まで、どうなることやら・・・

それにしてもなぜだろう、この時間でもちらほら駒場に人影がみえる(おそらく幽霊ではない)。彼らは今宵をいかに過ごすのであろうか。我らのように深夜の東京をあてもなく彷徨い続けるのであろうか。

渋谷午前1時半。通りを歩く人の数は少ないが、やはり渋谷である。終電を逃した人々がぽつらぽつらと行き交っている。道端で、すやすやと安らかな寝息を立てている人もいる。道路はタクシーばかり。こんな時間で客引きをしている飲み屋もある。もう少し、渋谷らしくない渋谷を期待していたので、この街の様子にはがっかり。

青山通りに入り、以後数時間ひたすら青山通り。

青学近くの子供の城というところの入り口に岡本太郎作のモニュメント(?)がおいてあり、結構それが夜だと怖かった。

青山、表参道、外苑前、赤坂、永田町、といった地名が続く。さすがに深夜にこのあたりにいる人はほとんどいない。歩道も広く、非常に快適な散歩である。

国会図書館の脇を通る。一同ちょっと興奮。次回また(昼間に)来よう。

途中、首都高とすごく接近しているところがあって、柵をちょっと超えれば高速道路の路肩に入れるような場所があった。村上春樹の「1Q84」のなかで、青豆さんが1Q84の世界に迷い込むきっかけが、高速道路脇の地上へ降りられる階段(たしか、三茶のあたり)だったことを思い出して、一瞬その柵(階段じゃないのが残念)を超えてみたくなった。

午前3時過ぎに皇居の裏手にさしかかり、そのまま行くと議事堂がみえたので少し寄り道することに。この辺りは、深夜でも警戒が厳しいようだ。パトカーや、バスみたいな警察車両や、長い棒をもったお兄さんがそこら中で見張っていて、少し緊張した。

日比谷公園にさしかかったあたりで空が白んできた。誰もいない日比谷公園の、芝生の広場の片隅に座り、遠くのビルの後ろの空が青くなっていくのをぼーと眺めた。笹岡氏がきれいな写真を撮った。

午前4時半。銀座三越の時計台に到着。誰もいない。朝の空気が気持ちがいい。

午前5時。築地着。朝日新聞の本社が築地市場の目の前にあって驚いた。

市場の入り口に入る前から魚の生臭いにおいが感じられる。市場の男達が忙しく働き回っていた。なんだか、人間の営みの原風景を見るようで、感動した。

海鮮丼を求めて築地市場の中を彷徨う。見たことのない不思議な形の車(というかゴーカート)に乗った築地のおじさんに何度か轢かれそうになったりする。

海鮮丼の店を見つけるものの、とにかく高い!普通に1500円とか表示してあったりする。豪華なやつだと3000円。築地といえば、もう少し安い値段でめちゃくちゃ新鮮な魚介が楽しめると勝手に想像していた僕(そして我ら一行)、朝飯にこの値段は気が引けるが、手ぶらで帰るのはもっとむなしい。比較的安い店を見つけ出し、午前5時半の築地海鮮丼をいただく。

うん、とにかく新鮮!とにかくおいしい!夜通し歩いたあとだからこそ味わえる至福の瞬間。あっという間に一同完食。

その後はとぼとぼと東京メトロ築地駅に向かい、解散。皆さん本当にお疲れさまでした。

その後の自分はというと、無事家に帰宅し、1時間くらい仮眠をとろうと横になったところ、気がついたときには11時(!)見事に2限の力学をブッチし、4限までのフリータイムを、これを書いたり、部屋の掃除をしたり、まったりと過ごす。本当に、ゼミ充な1日でした。

ということで、少々だらだらと書き過ぎた気がしますが、以上が第一回「夜は短し歩けよ学生企画」の模様です。第一回というのは、当然第二回を考えているからです。この記事を読んで面白そうだと思った人、是非次回一緒に行きましょう。その他、この企画に関して何かアドバイスをくださる方、夜の東京でどこか面白いところ(≠危険なところ)を知っている方がいらっしゃいましたら、是非真野or笹岡まで教えてください。

====文責:真野智之====