映像、音楽、建築等多分野のプロフェッショナルが喧々諤々とした議論と実践を行い、既成の枠組みに囚われない活動を続け、国内外からの評価を確固たるものとしてきたアーティスト集団、ダムタイプ。
彼らの問題作、『S/N』が上演された1994年当時は、HIV陽性の人やエイズを発症した人が差別や偏見に晒され、同性愛者は「健常」を標榜する異性愛者による排撃を受けていました。そうした排他のメカニズムは果たして20年経った今、是正されたのでしょうか。
答えは否、なのではないでしょうか。日本各地でヘイトスピーチデモが行われ、SNSでは政治批判をする人々がその内実を問わず左翼だとレッテルを貼られ、叩かれます。このような、異物を排除する動きがマジョリティとなり、マイノリティの小さき声が抑圧される現状は、まさしく差別の歴史と、そして1994年当時の状況と呼応するものであります。
『S/N』は、政治やネットなどによって思想の二極化が強要されている現代の社会構造に楔を打ち込むような作品であります。排撃のメカニズムを拒否し、我々に新たな道を示す『S/N』は多文化・共生に対する更なる問いかけでもあり、新たな対話を希求するヴェクトルをも生み出すでしょう。
初演から20年が経過した今「だからこそ」観られるべき『S/N』の上映会を開催します!
※7/21訂正
アフタートークゲストに、大岡淳さん(演出家・劇作家・批評家)の出演が新たに決定しました。
【ゲストプロフィール】
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ BuBu de la Madeleine
(Photo by Tomoaki Hayakawa)
90年代より国内外でパフォーマンスや映像・テキスト・ドローイング作品等を制作。同時にHIV/エイズと共に生きる人やセックスワーカー、セクシュアルマイノリティや女性の健康や人権についての市民運動に携わる。2013年よりヘイトスピーチに抗議するカウンター活動に参加。毎月第四金曜には京都クラブメトロにてドラァグクイーンとして(ほぼ毎月)出演中。
大岡 淳 おおおか・じゅん
演出家・劇作家・批評家。現在、静岡県舞台芸術センター(SPAC)文芸部スタッフ、静岡文化芸術大学非常勤講師、河合塾COSMO東京校非常勤講師を務める。批判的エンタテインメントの創造を目指し、静岡を拠点としながら県内外で活躍。今年10・11月、静岡芸術劇場にて、SPAC公演『王国、空を飛ぶ!?アリストパネスの「鳥」?』を演出する。
【日時】2015年7月21日(火)
18:15 当日券販売開始、前売り券引き換え開始
18:30 開場
19:00 『S/N』上映(85分)
20:25 休憩
20:30 ブブ・ド・ラ・マドレーヌさん、大岡淳さんによるアフタートーク
20:55 イベント終了
【会場】東京大学本郷キャンパス 福武ラーニングシアター
(東京大学 情報学環・福武ホール地下2階)
地図→こちら
【アクセス】
丸ノ内線・大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩8分
南北線「東大前」駅より徒歩12分
千代田線「湯島」駅より徒歩20分 赤門入ってすぐ
【料金】800円
【予約】参加事前予約→こちら
※予約が満席となった際にも、当日券を販売いたします。
当日45分前から販売を開始し、5分前より整理番号順に入場を開始します。
【主催】「ダムタイプ『S/N』上映会」実行委員会
【後援】東京大学見聞伝ゼミナール
東京大学新聞
【ダムタイプとは】
ヴィジュアル・アート、音楽、映像、建築、ダンス、コンピューター・プログラムなど様々な分野に興味を持つ複数のアーティストによって構成されるグループ。1984年、京都市立芸術大学の学生を中心に結成。以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続け、美術、演劇、ダンスといった既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして内外で紹介されてきました。
【『S/N』について】
『S/N』というタイトルに込められた意味は「Signal/Noise(信号/ノイズ)」。今日の社会が直面する切実な問題、すなわち、ジェンダー、エイズ、セクシュアリティといった問題をテーマに、現代社会が抱える、人種、国籍、あらゆるマイノリティや性差別などを正面から捉え、パフォーマンスのみならず周囲の様々なコミュニティとの交流による具体的なアクティビズムまでも巻き込み展開されました。1994年初演。
Photo: FUKUNAGA Kazuo
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