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文学企画、二〇一二

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すぐ昔話をしたくなるのは年嵩の者の常なので、どうかお許しいただきたい。

かつて、といっても今から3年前の春、大学1年生だった私は、新入生らしい期待を抱いてこのゼミに入りこみ、とある企画を立ち上げた。

当時掲げていた「企画趣旨」はこんな風だ。

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◆乱創文学――使い捨てられる小説たち

通称、「文学企画」。
長たらしいので、ゼミでは基本こう略されているのだが、それでも立ち上げ当初は、「使い捨て文学企画」と一応、丁寧に呼んでいた気がする。
頭四文字がとれたのは、初夏、ゼミOBたるある編集者の方に、ご指摘を受けてからだ。
「このタイトルはちょっと、心証悪いよ」
確かに、生涯を以って文学やっている人に取材を申し込むのに、「どうも、使い捨て文学企画です」は、ない。思い直し、以来こんな曖昧な企画名で水面下、活動をつづけてきた。

企画の問題意識自体は、一貫している。

ちょっと今の世の中、本あふれすぎじゃないか。作家もいくらなんでも多すぎじゃないか。
それに伴う作品の質の低下は。読書行為自体の空虚化は。
とりあえず出版しとく。とりあえず読んだらブックオフ。
そんな時代に、作家は、編集者は、評論家は、読者は、何を思い「本」と向き合うのか。

なまの思いを知りたくて、なまの声を訪ねる企画。

since ’09.04

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わりと色んなことをした。

某文学賞授賞式にお邪魔する、いくつかの大学の読書サークルを集めて座談会をする、学内読書アンケート、出版評論家に取材、小説家に取材、編集者に取材、、、

そうこうしているうちに、2年生になった。

ゼミの運営が忙しくなったのを言い訳に企画は形骸化。形骸だけでも残っていたのは奇跡だが。

そして3年生、4年生。

相変わらずゼミは私の一番の居場所でありつづけ、しかしとっくに運営から退いた私は暢気に新歓コンパで酒を片手に1年生に絡んでいた。

文学企画が中途半端に止まってしまっているのはとても心残りだったのだ、もうちょっと取材に行きたいし、もうちょっと考えてみたいことがある。出版や文学の状況も、ここ3年でだいぶ様変わりした。

そして幸運にも、文学企画に興味があると言ってくれる新入生が何人もいて、新生・文学企画が始動することとなった。

で、11月。いまや完全に後世恐るべし、いくつか取材を重ね、駒場祭での講演イベントまで実現にもっていってしまう後輩たちに私は頭が上がらない。

……というわけで、ゼミのウェブサイトも新しくなったことだし、直近の取材記事はもちろん、改めて過去の文学企画記事を再掲載させていただきます。