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地下神殿に行ってきた――大学生の社会科見学

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埼玉の地下には、地下神殿がある。
その名を首都圏外郭放水路といって、大雨が降った時に水をためることで、人知れず春日部を洪水被害から守っているという。
要するに単なる貯水池なのだが、PVやドラマの撮影にも使われているらしい、あまりにも、あまりにも格好よすぎないか。

首都圏外郭放水路では定期的に見学会を無料で行なっているという。

これは是非とも行かねばならぬと、ゼミ生約8人を引き連れて見学しにいってきた。


埼玉県南桜井駅から徒歩40分、龍Q館という場所に着いた一行を迎えたのは、社会科見学すぎる光景だった。
床に広がる巨大な埼玉県、液晶に浮かぶ説明ムービー、そして極めつけの動く模型!
(写真を撮り忘れたのをごまかしています)
そのパネルと模型をフル活用して放たれる、ロックンロールな説明に、我々のソウルは震え上がった。

私たちの目にふれることなく、洪水と闘う首都圏外郭放水路のスケールはまさにギネス級。洪水を取り込む直径30m、深さ60mにおよぶ5本の巨大立坑をはじめ、地中深く6.3kmにわたって走る直径10mの地底トンネル、重量500トンの柱が59本もそびえるマンモス水槽、そして、毎秒200tの水を排水する14000馬力タービンなど、そのすべてが想像を超えるスケールです。
–イントロダクション|首都圏外郭放水路http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/project/gaikaku/frame_index.html

その総容量、なんとサンシャイン60一杯分。
ここまできて池袋かよ!すごいのかすごくないのかわからないよ!いやすごいんだろうけど!
地下神殿と呼ばれている部分は、水槽の部分である。立坑からの水がここに貯められ、川へゆっくりと放流される。

これだけの柱が必要な理由は、天井を支えるためというのもさながら、巨大な空間が、周りの地面からの浮力に押されて浮かび上がってしまわないようにするためだという。

充実した社会科見学な説明を終えて、ようやく我々は地下神殿内部に案内された。
長い長い階段を降りて、

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神殿に至る階段


ついに現れ出た地下神殿、一行のテンションはダダ上がりである。
日本でタイみたいな洪水が起こらないのはこいつのおかげか。

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林立する柱


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人が小さく見える 天井が高いので皆反りかえって写真を撮る


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第一立坑 巨大水槽とつながっている


というわけで、地下神殿を堪能してきた。

人間を守る事業と言うのは、時にはこんなに大げさにならなければならないのか。
普通の生活って、実は普通じゃない。
いつも通りの生活を維持するために、より安心できる生活のために、人間はここまでやってしまうのである。
それがわかっただけでも、埼玉まで行った甲斐があったというものだろう。
普段は気にすることのない都市事業、治水の裏側を体験できる稀有な機会。皆さんもぜひ体験してみてはいかがだろうか。