昨年2010年、natureの新年度巻頭言に、これから10年間は精神疾患の時代であると掲載されました。
実際、エビデンスを重視した認知行動療法の確立、分子生物学的手法の発達、そして近年の急激な脳画像解析能力の向上によって、精神医学は急激に発展していっています。
そのような状況を反映してか知らずか、世間的にも精神疾患は広く受け入れられるようになって来ました。
うつは心の風邪というフレーズは非常によく聞くものですし、心療内科の設置によって誰でも気軽に精神医学に触れることができるようになりました。
しかし、その一方で新しい形での誤解が生まれつつあるのも事実です。
新型うつと呼ばれる、職場以外の場所ではうつ症状を呈しない疾患は甘えではないかと非難され、うつ病自体の見方というのも非難的なものに再び戻りつつある面もあると思われます。
そして、発達障害や統合失調症などは、名前だけは知られていても症状に関して詳しく知られているものではないと思います。
世間に受容されつつありながらも多くの誤解を受けている精神疾患。世間に知られるようになりながらも、実態として全く知られていない精神障害。それらを多くの方に正しい知識でもって知ってほしい。
そんな気持ちでこの企画を立ち上げました。
メンタルヘルス、精神疾患という切り口からいろいろなものを調べて発信していけたらと思っています。