◆乱創文学――使い捨てられる小説たち
通称、「文学企画」。
長たらしいので、ゼミでは基本こう略されているのだが、それでも当初は、「使い捨て文学企画」と一応、丁寧に呼んでいた気がする。
頭四文字がとれたのは、初夏、ゼミOBたるある編集者の方に、ご指摘を受けてからだ。
「このタイトルはちょっと、心証悪いよ」
確かに、生涯を以って文学やっている人に取材を申し込むのに、「どうも、使い捨て文学企画です」は、ない。思い直し、以来こんな曖昧な企画名で水面下、活動をつづけてきた。
企画の問題意識自体は、一貫している。
ちょっと今の世の中、本あふれすぎじゃないか。作家もいくらなんでも多すぎじゃないか。
それに伴う作品の質の低下は。読書行為自体の空虚化は。
とりあえず出版しとく。とりあえず読んだらブックオフ。
そんな時代に、作家は、編集者は、評論家は、読者は、何を思い「本」と向き合うのか。
なまの思いを知りたくて、なまの声を訪ねる企画。
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