高校時代のとき。 受験生だった自分は毎日帰り道のどこかの本屋にふらふらと引き寄せられ、
新刊台をチェックし、
平積みを勝手に整え、
音楽雑誌を立ち読みし、
漫画の品揃えを眺め、
画集や写真集を持ち上げてみて、
しょーもないサブカル本でにやにやし、
立ったまま小説を読破し、
そのまま財布と相談を始めるなど、
迷惑極まりない常連客であった。
本屋を延々とうろつき見回る生活で気づいたことは、本屋にも、個性があるということだ。
新刊と雑誌と漫画に埋もれている店もあれば、 小さいながらも良い本をおこうとがんばっている場所もある。
軽い本ばかりの店もあれば、妙にマニアックな本ばかり並べている店もある。
雑貨屋と融合したような形の本屋も台頭してきた。
比べてみれば、同じチェーンの店でも結構違うし、棚の作り方、POPの内容など、それぞれに工夫を重ねている。
本屋は面白い。しかし、出版業界は不況である。
書籍は利率が低い。だから本屋は儲からない。
流通システムは整ってはいるが、小さい本屋に優しくない。
出版点数は増えたのに書籍の売り上げは横ばいで、出版社も大変なようだ。
amazonの天下や、電子書籍の登場は、既存のシステムのままでは対応できないだろう。
この時代へ来て、本屋のあり方は見直しを迫られているのでは?
適当に配本で来た新刊だけ並べて待ってるだけでは、きっと時代の波に飲み込まれてしまう。
本屋を愛する一人としては、本屋にはこれからも元気で、社会に活気と情報を送り続ける存在であってほしい。
じゃあ、どうすればいいんだ? これからの本屋、出版業界を考えて行く上で、 この不況の中でもなお、お客さんがわざわざその店を選んで足を運ぶような本屋には、きっとヒントがあるはずだ。
というわけで、この企画は、頑張っている本屋を見に行き、本屋の将来を考える企画です。