昔から恐怖ものが好きだった。
当時、リングが毎週ドラマで放送されていた。
テレビは1階で、ベッドは2階だった。
見終わって、1階から2階に上がる階段に、貞子が出てくるような気がして、メチャクチャ恐かったのを覚えている。
恐がりのくせに恐怖もの好きという最悪のパターンである。
映画館にも恐怖映画ばっかり見に行ってたら、そのうち夜道を歩けなくなった。
自宅の前の細道は街灯もなくて、日が沈むと真っ暗だったので、部活で遅くなった時は、その道だけ目をつぶってもうダッシュしていた。
いつだったか、その細道の茂みから猫が飛び出してきた時は、本気でビックリして、電柱に激突してしまった。
大きくなって、なんとか夜道も歩けるようになったのは何よりだが、やっぱり恐怖もの、もっと広げていえば、なんとなく不思議なものに心魅かれる性質は変わらなかった。
怪奇現象、UMA、都市伝説・・・・
世界地図を眺めて、たくさんの国の国名を覚えて、行ったこともないのに、オレはもう世界を知っている、知らないものなんて何もないんだー!的な気分に浸れるこの時代に、「未知」の香りが濃厚に漂うこれらの言葉に僕は何よりも魅力を感じる。
今回はこの中で「都市伝説」にスポットを当ててみようと思う。
世に溢れる数多の都市伝説が本当かどうかを実際に検証してみたい。
ただ、都市伝説のそもそもの言葉の定義は「本当のように聞こえる、ウソの話」なので、定義通りにこの言葉が使われていれば検証の必要なんてないのだけれども。
調べていくと、都市伝説の基本形というものは、だいぶ前に確立されていて、時代を経るごとにその型というものが、その時代にあった要素を取り込みながら、変化していっていることがわかってくる。
こうした型を明らかにし、人の関心を惹くストーリーの構造らしきものが見えてくれば、うわさの伝播についての規則性、法則を明らかにすることができるのではないか。
本企画はそのような野望も若干抱きつつ始動した。