ゼミ生Dくんの「マンガを読んだことない」発言に対する批判が企画の発端である。
我々の世代はみんなマンガに囲まれて大きくなってきた。
幼い頃、慣れ親しんだドラえもん、クレヨンしんちゃん、サザエさんだって考えてみればもとは全部マンガである。ドラえもんから夢を持つことのすばらしさを、クレヨンしんちゃんからはユーモアの大切さを、ドラゴンボールから愛する人のために命がけで戦うこと、そして、どんなに激しい戦いの中でも空気を読んで決して下半身を露わにしてはいけないことを、はっきりと意識していたわけではなかろうが、学んできたのである。
そうやって僕らは大きくなった。
だからこそ、誰にでも、死ぬ前に一度は読んどけ!と言えるほどのマンガがきっとあるはずである。僕にとっては、それは、GTOであって、ライジングインパクトであって、初恋限定であって、ハチミツとクローバーであった。こういうことを人に話すのは楽しい。
そして、読んだことない人には心から読んでほしいと思う。しかしながら、それを話す機会というのは決して多くはない。
この企画が生み出す価値はそこにある。できるだけ多くの人からその人にとっての「絶対的なこの一冊」を集めるのだ。
きっと人々が大切に思うマンガは、年代、地域によって大きく異なる。
なので、オンラインとオフラインの両面で、できる限り幅広い層にアンケートを実施し、好きなマンガのタイトル、その理由、好きなシーン&場面を調査・集計する。
そして、集計し、リストに名前が挙がったマンガをゼミ生で読み、レビューを書く。最終的に、集計したデータ、ゼミ生のレビューをまとめた冊子を作成し、公開することを目指す。
シンプルながらも、「見たい、聞きたい、伝えたい」という立花ゼミ本来の理念に則った企画であることを自負している。