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立花隆+東大立花ゼミ シンポジウム事前取材

9月8日 東京大学(三鷹) 土居守先生

 9月8日、とても暑く、熱い一日が始まる。僕たちゼミ生一同と立花先生は、三鷹にある国立天文台へと向かった。最寄りのバス停で降りると、道路を挟んだ天文台の入り口はこんもりとした木々で覆われている。まるで森である。

 今日最初の取材相手は、土居先生だ。筆者は4日の仙台取材に引き続き二回目の取材だったが、やはりどきどきする。どんな話が聞けるのだろうか。先生が待つ、天文学教育研究センターへと向かう。国立天文台に併設されている、東京大学のキャンパスだ。

 教室に入ると、土居先生がプロジェクターとスライドをばっちり準備して僕らを迎えいれてくれた。電気が消え、講義が始まる。メインテーマは、ダークエネルギーとその観測方法である。ダークエネルギーとは宇宙膨張の裏側に潜んでいるだろうと考えられている、謎のエネルギーである。

 「天体の明るさで測るダークエネルギー」。先生は天の川が、我々の住んでいる銀河であることからお話をはじめ、天体の見かけの明るさ、標準光源、宇宙膨張を計測する際に1a型超新星を利用する利点などをお話になる。先生の明快な語り口と、スライドに示された図や写真、グラフが、科学知識の浅い文系の僕にも分かりやすい。

 話はさらに進み、宇宙膨張の様子、考えられるそのシステム、また超新星発見において日本のすばる望遠鏡が果たしている大きな役割についてもお話になる。宇宙膨張の歴史を示すグラフを見ていると、自分の意識が三鷹にある天文台の一室から、広々とした宇宙の果てまで飛んでいくようで、エキサイティングである。真空のエネルギー、第二のインフレーション、物理法則の破れ・・・・・・僕が持っていた今までの常識では考えられない、いろいろな言葉が飛び交い、それを土居先生が丁寧に解説してくださる。そしてまた、天文学も全てが分かっているわけではなく、新しいことが分かれば分かるほど、そして宇宙の先が見えれば見えるほど、大きな謎が立ち現れてくるのだということが肌で感じられた。

 ダークエネルギーは、果たして見えるのか、そして計測のために用いられている最新の方法とは?その全ては、当日のシンポジウムをお楽しみに。





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