立花隆+東大立花ゼミ シンポジウム事前取材
8月27日 京都大学 戸谷友則先生
8月27日。前日の取材で酷使した頭に疲労が残っている。今日は京都大学の戸谷先生。前日の取材で頭に引っかかったバリオン振動のお話のようだ。ついていけるだろうか?
私が小学校の修学旅行以来の京都に浮き足立つ一方、立花先生は早朝から京都御所を見て回られたようだった。先生の語られる日本史の一ページを全く知らない自分に悲しくなっていると、予定の時刻になった。
戸谷先生は会議室を用意されていた。
大きなスクリーンにパワーポイントが投影されて、取材(講義?)が始まった。
ダークエネルギー、ダークマターとはなんなのか。なにが分かったか。「名前が付けられただけだ」・・・なんて高名な先生のお言葉のスライドから。
では、なぜそのようなものが考え出されたのか。そして我々は理解を深めるために何をすべきなのか。それをすると何がなぜ分かるのか。 先生はしばしば机を離れ、黒板に図やグラフを描いて我々の理解を助けてくれた。この図が実にわかりやすい。
ダークエネルギーの正体を探りたい。 ダークエネルギーは宇宙の膨張に影響を与えている。 では宇宙の膨張の歴史を調べたい。 バリオン振動のパターンが使える!
順を追った先生の説明は、ひとつのストーリーとして頭に入ってきた。 私の方は前日(杉山先生の取材)の知識をフル動員して、どうにかわかったつもり。 取材はいつしか予定の2時間を越えていた。 話題は実際のデータを得るための望遠鏡や装置に及んでいた。
光年の単位で語られるような宇宙規模で遠くを見るということは、過去を見るということだ。
すばる望遠鏡のように深宇宙を見せてくれる望遠鏡ならば、宇宙の歴史を辿ることができる。
そうして積み重ねられたデータによって、第一線の研究者達はさらに理解を深めていく。
そして理論は机上の空論ではなく、実世界の記述となる。
真摯に宇宙と向き合う戸谷先生が一ヵ月後にどのような講演をなさるのか、いまから楽しみだ。
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