私にしては随分と感傷的なタイトルだけど、内容はいつも通りですよ!多分。
2007年09月14日、H-IIA13号機に載って、SELENEという月観測衛星が打ち上げられた。
日本の宇宙開発の慣例に従って、軌道投入が確認されてから、公募した中から審査委員が選んだ、
衛星の愛称が発表された。その名は「かぐや」。
ちょっとベタベタ過ぎない?と思わないでもなかったが、リレー衛星とVRAD衛星という二機の子衛星を積んでいるから、
3つセットの名前が欲しかったのだろう。ご存知の方も多かろうが、こちらは「おきな」と「おうな」と名付けられた。
かぐや姫の育ての親がかぐや姫に「乗っかって」月を目指すという逆転は、何だかおかしいけれども、”親孝行”なのでしょうかねぇ…。
さてそのSELENEが、来る2009年06月11日の午前3:30ごろに、月面に落下する。
SELENEは2007年12月から、2008年10月にかけて、所定の運用を行い、それが終わってからは言わば「オマケ」の運用を続けていた。
こういうことは、衛星の世界ではよくある話で、ハッブルの様な極めて特殊なものを除いて、人工衛星は過酷な環境の中で地上から直接物理的な支援が行えない状態で、高い精度での稼動を要求される。
そのため、かなり悪い予測に基づいて、衛星が確実に”生きて”いられると予想される期間で、所定のデータを採ってしまうようスケジュールが組まれる。
そして、運が良ければ所定の運用の後に、「オマケ」の調査を行うのである。勿論最初から期待してはいるのだが。
SELENEでは、月の重力異常や月表面の組成などについてのデータを、高度100km前後の円軌道で収集するのが当初の目標だった。
「オマケ」ではより高度を下げ、より精度の高いデータを採ってきた。
しかしそろそろ姿勢制御系にダメージが蓄積されてきて、姿勢の維持に支障が出始めたので、きちんと姿勢が制御できる内に、狙った場所へSELENE本体を落とし、その様子を地上から観測するのである。
JAXAが各地の天文台などにSELENE月面衝突時の観測を呼びかけている。
落下するのは、地球から見える面(当然だ)の、地球から見て南東側の影の部分である。詳しい場所や時間については、JAXAの公式ページから最新の情報を確認して欲しい。
また残念ながら、この衝突で発生する光を肉眼で見ることは出来ないと予想されている。
とはいえ、何が起こるかは最後まで分からないので、もし晴れたらちょっと思い出してみて欲しい。
シューメーカー・レヴィ第9彗星の例もあることだし。アレ、地球から見て木星の裏側に衝突したが、衝突前には「衝突しても半回転する間に痕跡は消えてしまうだろう」みたいな予想だったのだ。しかし実際には極めて明瞭な衝突痕が出た訳で…今回も、もしかすると、もしかするかもしれないのだ。
SL9よりも落ちる物体についても、落ちた先についても良く分かっているので、可能性は遥かに低いだろうが。
少々外に出て月を愛でるには非常識な時間なのが惜しい所である。