贅沢は味方

by 有賀 雄大

YEBISUは、ちょっと贅沢なビール。
350ミリリットル缶一本を、ゆっくりと時間をかけて味わって飲む。
合わせるのはピーナッツがベストだが、今日はない。

贅沢についてうたった名曲について語ろうとおもう。

東京事変の「キラーチューン」である。作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

「贅沢は味方 もっとほしがります負けたって
勝ったってこの感度は揺るがないの
貧しさこそが敵」

明らかに、戦時中に日本で唱えられた標語、「贅沢は敵。欲しがりません勝つまでは」との対比である。
この有名な標語は、戦争において勝利するために、一般市民の出費を抑えようというものである。
未来における価値を優先し、現在における快楽を我慢する考え方が表れている。
確かに、一瞬の快楽にばかりとらわれていたら、いかなる目標も達成できないであろう。
だが、未来における価値のために、今を楽しむことを放棄するべきなのだろうか。

「欲しがりません、勝つまでは」と聞くと、「勝つ」という言葉がきわだって響く。

・・・今の人は「勝つ」ことにばかりこだわる。
仕事に「勝つ」、受験に「勝つ」、就職に「勝つ」・・・近頃は恋愛や結婚にも「勝つ」ものらしい。

だが、勝利によって手に入るものは、いずれも幸せそのものではない。それらは幸せの手段なのである。

受験に勝ち、就職に勝ち、仕事に勝った人にはお金が与えられる。
結婚で勝った人には安定した所帯、家族という紐帯が与えられる。
恋愛で勝つということがどういうことなのかはいまだによくわからないが、おそらく「付き合っている」という契約関係を築き、持続させることを指すのだと思う。

お金を手に入れたって、買うべきものを知らなければ宝の持ち腐れだ。
家族がいたって、愛ある関係を気付けなければしょうがない。
付き合っていたって、毎日を楽しく過ごせなきゃしょうがない。
贅沢できなきゃしょうがない。

勝つことは必要なことだ。
だが、その前に、今自分が「欲しがっ」ているもの、その「感度」を大切にしたらどうか。
今自分がしたいこと、楽しいことはなんなのか?
本当の贅沢とはなんだろうか?そう問うことが大事なのではないか。
そのことを、この歌詞は気付かせてくれる。

では、この先で歌われる贅沢とは、なんだろう・・・

思いのほか長くなったので続きは次回。
ビールが回ってもうれつに眠い。
贅沢に眠ってやろう!