昨年度にお逢いした、好きなひとたち。きらきら
2009年4月、大学進学と同時に上京してから、私は大好きだった憧れの人たちに、直接お逢いする機会に何度も恵まれた。
「こんな方といま隣り合っているあたしを、あのころのあたしに見せてあげたい…」
と、何度思ったことだろう。
ここに、そのときめきを書き留めておく。

(c) Ran Oishi
**中村佑介さん(イラストレーター):http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-White/3531/lemon.htm
中村さんの絵に出会ったのは、中学生のとき、タワーレコードに平積みにしてあった、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットを見たときだった。その繊細なタッチと古風な色遣い、ノスタルジックな世界観に惹かれ、すぐに中村さんのホームページにアクセスした。
当時は、中村さんは画集などは出版されておらず、ブログも始めていらっしゃらなくて、彼の人となりを知る手掛かりは少なかった。それでも、彼のサイトを訪れるたびに、私は彼の絵の世界に浸り、幸せな気分になっていた。
中村さんの絵を見ていると、幼いころの自分に見えていた世界を思い出す。見なれた風景の中に潜む不思議に思いを馳せる。
5月のはじめ、私は都内の専門学校で行われた、中村さんの講演会に行くことができた。
明るい声の中村さんのお話を聞くうちに、私はますます中村さんが大好きになった。
中村さんは、自分の表現したいものに正直で、私たちに楽しい世界を提供してくださるために、いつも誠実にお仕事をなさっている、私の思っていたとおりのあたたかい方だった。
講演会が終わったあと、直接お話しさせていただいたときの、中村さんの優しい目が忘れられない。
その後私は何度か彼の講演会に足を運んだ。中村さんは、私のことを覚えてくださっていた。
「あー、また来てくれたー!」
そんな中村さんの笑顔を見て、お話を聞いて、元気をいただきたくなる。
だから私は、中村さんが東京にいらっしゃっているときはできるだけ、イベントに赴くようにしている。
中村さんが12月にNHK「トップランナー」に出演されたとき、私は観覧者として収録に参加させていただいた。
質疑応答のコーナーで質問をして少しだけテレビに出させていただいたりもできて、とても貴重な、楽しい時間だった。
これからも、中村さんの世界にお邪魔させていただくのを、楽しみにしています。
(ちなみに、森見登美彦さんの小説『夜は短し歩けよ乙女』の表紙の絵を手掛けられたのも中村佑介さん。
4月22日木曜日からフジテレビ系で放送開始された、森見さん原作のアニメ『四畳半神話大系』のキャラクターデザインをされたのも中村さんだ。私はこの番組を見るのを楽しみにアルバイトから帰宅して、テレビの前に体操座りした。
中村さんのデザインされたキャラクターは、奇想天外な森見ワールド(それもデビュー作の)にばっちりマッチして、この上なく生き生きとしていた。そして、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの新曲「迷子犬と雨のビート」が彩るオープニングがたまらない。ぐだぐだの日常に風穴を明けるような音楽にのった、小気味好い映像だった。やくしまるえつこのアンニュイな歌声と、絶え間なくジョイントしていく四畳半が織り成すシュールなエンディングも素敵。)
今週末は久しぶりに中村さんのトークショーに行くのだ!!楽しみ!
**大久保美幸さん(美容師)
大久保美幸さんは、原宿のヘアサロン「GIRL LOVES BOY」で美容師として働いておられる。
私は中学生の頃からファッション誌「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)を愛読していて、その紙面でモデルなどのヘア・メイク担当で活躍される美幸さんの名前は、たびたび目にしていた。女の子の魅力を最大限に引き出すような、美幸さんの鮮やかなスタイリングが、私は大好きだった。
とりわけ気になっていたのは、私の大好きなシンガー・ソングライター椎名林檎の代表曲「本能」のジャケットの林檎さんのヘア・メイクをされたのが、美幸さんだということだった。
たぶん、椎名林檎と聞いて多くの人が連想するのが、この「本能」のジャケットの彼女の、ナース服でガラスを割る姿だろう。
PV:http://www.youtube.com/watch?v=20h_-OJZeQA
だから、CUTiEの紙面の隅に、美幸さんにヘア・メイクをしていただき、雑誌に載ることができるという企画の紹介を見つけたとき、私は迷いなく応募した。そして、数週間後に編集部から連絡をいただき、その企画に出ることができたのだった。
お仕事中の美幸さんは、魔法使いのようだった。強さと美しさと可愛らしさを兼ね備えたルックス、時折垣間見せる母親のような優しい笑顔、無邪気な笑い声、学者さながらの真剣で厳しい表情に、丁寧でいて軽快な手さばき…とても不思議な方だ。
最近は、私は「GIRL LOVES BOY」に通っている。今の髪の色も、美幸さんに染めていただいた。とても気に入っています!
**知久寿焼さん(ミュージシャン、元 たま):http://www.officek.jp/chiku/
そもそも、私が生まれて初めて好きになったバンドが「たま」だった。1歳くらいのときのことだ。
とくに、NHK「みんなのうた」で放送されていた、「そんなぼくがすき」が大好きだった。
たまの曲は、今でも大好きだ。
極限まで落ち込んだとき、たまの音楽を聴くと、自分の悩みなんてどうでもよくなってしまう。気がつくと笑顔になっている。
「そんなぼくがすき」:http://www.youtube.com/watch?v=syAf-Osch8U
たまは2003年に解散したが、そのメンバーである知久さんは今も音楽活動を続けられている。
都内のライブハウスで行われるライブにもよく出演していらっしゃるので、私は知久さんの出演されるライブに足を運んだ。
知久さんの歌声は、子どものようにまっすぐで、包み込むようにあたたかかった。
ライブの後、直接お話しさせていただいた知久さんは、静かで優しい方だった。
生まれたばかりのころから私を支えてくれている音楽だ。これからもずっと聴き続けていきたい。
**ポック・ユコさん(ミュージシャン、モーモールルギャバン):http://sound.jp/mo-lulu/
インディーズバンド・モーモールルギャバンを知ったのは、雑誌「ROCKING-ON JAPAN」に載っていた彼らのデビューアルバム「野口、久津川で爆死」のジャケットに中村佑介さんの絵が使われており、その絵とアルバム・タイトルとのコントラストがあまりに衝撃的だったからだ。
同誌に載っていたレビューを読んで、彼らの音楽をとても聴いてみたくなった。そんなとき、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル後藤正文さんがホームページ上のご自身の日記の中でこのアルバムを紹介されているのを目にし、私はモーモールルギャバンというバンドが気になって仕方なくなった。
そして出会ったのが、彼らの代表曲、「サイケな恋人」だった。
「サイケな恋人」:http://www.youtube.com/watch?v=IuAb_d02×0A
なんなんだ、このゆるく軽快なキーボードと、響くベースと、容赦無いドラムと、そしてけだるい女声ボーカルのかっこよさは。
すぐに私はタワーレコードに向かい、10曲入りのアルバム「野口、久津川で爆死」を買ってきた。
1曲目から、地に足の着いた爽快感が走る。やる気の出ない朝が来て、二度寝するほどの時間は無くて、仕方ないから布団から出る、ああ、だけど今日は悪くないかもしれない、なんだか楽しくなるかもしれない。そんな気分になる感じ。
アルバムタイトルを見て分かるように、歌詞は基本的にシュールだけれど、それがこれでもかというほどにポップなメロディーと相まって、私に元気を与えてくれる。
考え過ぎてごちゃごちゃになった頭を、ぽーんとどこかに放り投げて、服も脱ぎ捨てて、笑顔で踊っているような心地になれるような曲ばかり。それはおちゃらけているようで、実は私にとって絶対に必要なものだ。
さっそく私は、彼らが出演するライブに行ってみた。
「本物のJ-POPを届けに来ました!!」
汗を流しながら、弾けるような笑顔で演奏する3人。渋谷のライブハウス、最前列でひとりで跳び跳ね続けることも気にならなかった。最高に心地良かった。
CDを売っているブースでユコさんに直接お会いすることができ、少しお話できた。ユコさんは、お姉さんという感じの、笑顔の素敵なとても優しい方だった。
ちなみに、ユコさんとはマイミクになりました!
今年はワンマンライブを東京でも行ってほしいと思います。
**マレーク・ベロニカさん(絵本作家)
マレークさんの描かれた有名な絵本「ラチとらいおん」は、私の原点と言っても過言ではない作品だ。
主人公のラチは、「せかいじゅうでいちばんよわむし」な男の子。飛行士になりたいという夢があるのに、犬も、暗い部屋も、友達でさえもこわい。そんな彼はいつも仲間外れで、一日中絵本を見てばかりいる。
そんな彼のもとに、ある朝らいおんが現れる。「ぼくが つよくしてやるよ」。そう言うらいおんと一緒に過ごすうち、ラチはいつしか、本当の強さを身につけていく――。
なにかにつけ心配ばかりしていて、気の小さい私に、いつも守られているという感覚を与えてくれたものの一つが、この絵本だった。
その作者であるマレーク・ベロニカさんの原画展が開催され、しかもご本人も来日されるという情報を見つけ、私は展覧会に行き、彼女と語り合う会にも参加させていただいた。
マレークさんは、威厳のある、しかし優しい、素敵なハンガリー人のおばあさんだった。講演会のあと、私はマレークさんとお話させていただいた。夢のようだった。
私の描いた絵のポストカードをお渡しすると、マレークさんはそのポストカードを手に持って、私と一緒に写真に写ってくださった。
幼いころから私と共にあった絵本「ラチとらいおん」の裏表紙の裏には、今はマレークさんのサインが入っている。
このサインは、夢を持ってはいるけれど臆病で器の小さいよわむしな私を、らいおんのように応援してくれるかな。
*
こうやって書いてみると、どの方も、優しくて、でも厳しいところもあって、真摯で、自分に正直で、子どものような心を持ち続けていらっしゃる方だな、と思った。
私もそういう人間でありたい。
幼いころから持っている自分の世界を保ちつつ、いちにんまえの人間として強く、生きていきたい。
そしてここに記した方々との出逢いのなかでさしあたり私が見つけたのは、自分の好きなことを、妥協せずにとことんまで続けることが大事なんだ、というシンプルな答えだった。
今年も、いろいろな人に逢って、いっぱいいっぱい吸収したいと思っている。
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