関西取材巡りその1 ―京都から―

This entry is part 1 of 4 in the series NINSシンポジウム―脳科学

26日から昨日までNINSの取材で関西を回っていた。

NINSは自然科学研究機構の略で、ここが9月23日に開くシンポジウムの準備で取材をしている。今回のシンポジウムのテーマは「脳が諸学を生み、諸学が脳を総合する」。脳についていろんな先生に様々な切り口で話してもらう。→第8回NINSシンポジウムの公式案内ページへ
ゼミ生の役目は先生のリハーサルを聞いて、本番で聞く普通の人が分かるかを確かめるバロメータになることだ。
→事前取材の記録へ

まずは一日目(26日)から。
26日はATR(国際電気基礎技術研究所)に向かう。ATRは京都、奈良、大阪の境付近にある。
朝東京駅に集合し、京都まで新幹線。前日の睡眠不足で慌てて自由席のある先頭まで急ぐ。しかし、内藤君のメールに気付かず一本早いのに乗ってしまった(汗)品川で一本後に乗り最新型のN700系で京都へ向かう。

柚子切り塩ラーメン

柚子切り塩ラーメン


京都駅でラーメンを食す。
柚子切り塩ラーメンといって、さっぱりした柚子風味のスープに、海老の湯葉巻きを揚げたものまで入っていて京都らしいなと満足。これに比べると東京のラーメンはどれもこってりしていると思える。

その後近鉄とバスを乗り継ぎATRへ。京都から30分くらい、新祝園(しんほうぞの)という駅から更にバスに乗る。
周りは国会図書館関西館や報道ステーションで叩かれた「私の仕事館」があり、実は文化度?が高いエリア。草原と山に囲まれた中に超近代的な建物が建っている。

ATRもそれにもれず近代的な建物だった。
この日はその中の脳情報研究所にお邪魔した。所長である川人光男先生が本番のシンポジウムで講演をされる。実は川人先生のお話を聞くのは二度目。
川人先生の研究の方針は「脳を創ることによって知る」で、ロボットやBMI(ブレイン・マシーン・インターフェース)の研究が紹介された。その詳しい内容は朝倉君の「学而時習」、内藤君の「ゼミ長ぽろり」にあるので読んでほしい。
印象に残ったのは、今までの脳科学、神経科学では物足りないという川人先生の考え。確かに脳科学、神経科学が明らかにしたものは脳の様々な機能のなかのほんの一部でしかないだろう。この考えが脳を創ることにつながっているのだ。
リハーサルのプレゼン以外にも実験用のロボットも見せてもらうなど、とても密度の濃い時間だった。

取材の後、宿泊地の大阪に向かう。実は初大阪、初名古屋になる今回の取材。地理がよく分からないのでとりあえずついていく。
バスで学研奈良登美ヶ丘という駅に移動して近鉄線から地下鉄直通で大阪へ。この駅といい、行き先のコスモスクエアといい、よく分からない(笑)
それも東京もんにとっては面白いのだ。(つづく)

関西取材巡りその2 ―大阪を見る―

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8月27日。二日目は阪大の柳田先生。
先生の研究室は吹田にある阪大のキャンパス内にある。大阪から行くと、千里のニュータウンや太陽の塔がある万博記念公園を通る。

柳田先生はさまざまな分野を渡り歩いた先生で、最初は工学部の電気、その後生体の研究に移った後は「ゆらぎ」というテーマを軸に、一分子から脳までさまざまな研究をしている。
今回はエネルギーという切り口で脳のことを語っていただいた。
コンピュータの使うエネルギー。ノートPCの排熱のお陰で夏は自分の部屋が暑くなる。それに対して、人間の脳は基礎代謝+1Wしか使わないという。
それにはゆらぎが関係しているという。コンピュータは一番正しい方法を見つけて解こうとする。逆にある程度ゆらいでいる中でエネルギーを使って正しい方向へ持っていこうとするのが生体の運動だ。そのほうが省エネになるという。それが脳の情報処理でも利用されている。
ゆらぎの工学への応用の話まで、脳に限らずとても刺激を受けることになった。

さらにその後、立花先生の用事もあって阪大のレーザー研究所を見学した。そのレーザー施設を「激光」と言うのだが、何せいきなりで「月光」だとずっと聞き違えていたというほどの無知(汗)レーザーなんて寝耳に水でついていくのが大変だった。

阪大を歩いてみると、場所も大阪市街にないからか静かで、施設は充実している印象だった。(聞いた話だと食堂が全然安いとか)

お好み焼きとモダン焼き達

お好み焼きとモダン焼き達


この日も夜まで取材が続いたが、せっかく大阪に来たので?道頓堀に行ってみた。光量が東京よりすごい。店の看板や宣伝がでかい…。お好み焼きを食べ、写真を撮って帰った。(後々伊豆ゼミで関西の人達と話す話題ができてよかった。)

関西取材巡りその3 ―岡崎へ―

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8月28日、2泊3日の取材の最後は生理学研究所の伊佐先生。
生理学研究所とは今回のシンポジウムを主催する自然科学研究機構(NINS)の研究所の一つ。(NINSは国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の五つから成る)
NINSの研究所(上の後ろ三つ)は愛知県東部の岡崎に集中していて、生理学研究所(通称:生理研)もその中にある。

名古屋駅で食べたインディアンスパゲッティ。

名古屋駅で食べたインディアンスパゲッティ。


28日朝、大阪から名古屋まで新幹線で移動。最終日とあって疲れ寝る。
名古屋で昼食。これはインディアンスパゲティといういかにも名古屋らしい食べ物。スパゲティとカレーソースの組み合わせはgoodだった。
その後名鉄に乗って東岡崎駅へ。やはり寝る。

岡崎にて。生理研は地図の左下にある。

岡崎にて。生理研は地図の左下にある。

東岡崎の静かな町を歩いていくと、NINSの研究所が集まったキャンパスにたどり着いた。研究所が点々としている中に生理研の建物がある。

伊佐先生は盲視をテーマにした話だった。
盲視とは見えないはずの視覚的認識と行動のかい離を指す。サルの脳(一次視覚野)の、ある視野に対応する部分だけ破壊する。見える範囲から見えない範囲へ点が動く時、そのサルの目線は二か月ほど訓練をすると点の移動した方向を追う。つまり、点が本来見えないはずなのに、動いている方向が分かることになる。
それを認識しているのは、普通のサルやヒトが使う視覚経路ではない、進化的には古い経路(中脳の上丘と呼ばれるところの経路)による。
このような現象から、意識とは何なのか?といった問いを考えることができる。一体実験されているサルにはどのような認識がされているのだろうか…?

その後名古屋に戻り、味噌カツを食べて夜行バスで東京へ帰った。取材が濃かったのであっという間の3日間だった。

関西取材巡りその4 ―再び名古屋へ―

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昨日はNINS事前取材の四人目、京大霊長類研究所の松沢先生を訪ねた。
霊長類研究所は愛知県北部の犬山にある。

一昨日(9月1日)の午後に新幹線で名古屋に行き、急いで名古屋城を見に行く。城を見に行くのは久しぶりだった。

名古屋城天守閣(右側)

名古屋城天守閣(右側)

名古屋城は天守などが戦争で焼け落ち、寄付で再建された。天守の中は一番上の7階以外が資料館になっている。途中までエレベーターもある。他の城に比べるとエンターテイメント性が重視されている印象だ。
残念だったのは、築城400年記念で新しく本丸御殿(将軍が上洛する時に滞在する場所)を作っていたり、工事されている所が結構多かった。数年後に行った方がもっとよかったなと少し後悔。

そして翌日は7時に起き、30分程かけて犬山に向かう。霊長類研究所は犬山駅から歩いて15分くらい、住宅地の先にある。
朝早く移動したのは、有名なチンパンジー、アイとその息子アユムの学習を見学させてもらうためだ。9時から学習は一時間弱、タッチパネルを使う。事前にビデオを見てその能力に驚いたのだが、本当に同じことが目の前で行われた。ある課題では、チンパンジーの子供は人間の大人を超える。それを生で見せられたのだ。課題を解いている様子はYouTubeでも見れる。
学習が終わった後、松沢先生が中に入り、アイと遊びつつ体重を測ったり薬を与える。その意思疎通の姿から、今まで持っていた動物のイメージとは違う、人間に近いものを生で感じた。

その後、チンパンジー達が住んでいるところを上から見せてもらった。旭山とか最近の動物園にある高いタワーを建てたのは霊長類研が始まりらしい。ここは、動物園と違って、下の部分にも樹木が生えていた。できるだけ野生に近い条件にしようとしているのだ。

昼食と休憩を挟み、松沢先生のお話は夕方まで続いた。チンパンジー研究から見えてきたヒトの姿という講演の大きなテーマから、研究者、所長としての考えまでわたって、ここには書きつくせない、貴重な話だった。

すがきやのラーメン。4本のフォークが先についたスプーンで食べる。

すがきやのラーメン。4本のフォークが先についたスプーンで食べる。


帰りは朝倉君の紹介で東海地方では有名なチェーン「スガキヤ」でラーメンを食べた。フォークスプーンがなかなか慣れなくて苦戦。
あとは東京にまっすぐ帰り、長い一日が終わった。

明日から月曜まで「伊豆ゼミ」で伊豆に行ってきます。それもあってまずは昨日の出来事をアップしました。
もっと詳しく書きたいけど、準備しなければ(汗)