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別れ

ついにこの時が来てしまった、という思いで呆然とする。

それはとても天気の良い、澄んだ冬の朝だった。修士論文を無事に提出し終えて、挨拶しに伺おうと思っていたところだった。

どの言葉も十分ではない。ストラヴィンスキーを聞いて頂き、モーツァルトで叱られ、ヴィラ=ロボスだけを褒めて頂いてから三年後だった。

この人のためなら自分の寿命を喜んで差し出す。そう思えたはじめての人だった。間違いなく僕の人生はここで変わった。

穏やかな最期であったことを心から願う。