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隔たりを信ず。

 

自分より遥かに年上で、しかも年齢を無為に重ねず不断に学び続けてきたあの頭脳に、いつか辿り着ける日が来るのだろうか。

二十五歳になってから、そうした疑問がふと頭に浮かぶことがある。それは言ってみれば、自分の将来、自分の未来への不安なのかもしれない。

答えは二択で描けるものではないだろう。誰にも答えは分からないし、そもそも他者によって答えを提示されることは堪えられない。

ポール・ニザンの「僕は二十歳だった。それが人生で一番美しい年齢だなんて、誰にも言わせない」というあの有名な一節を思い出す。

時間は止まってくれないが、時間の中で自在にリズムと密度を操ることが我々には出来る。

だから、時を先行したものとの隔たりを意識しながら、そして隔たりを尊敬しながら、負けず嫌いにも似た無謀さでぶつかっていくしかない。

 

 

改めて思う。年齢は偉大だ。

「凄い」と心から思える年長の人と張り合ったとしても肩を並べるのは難しいかもしれない。

しかし、無謀だとしても、張り合うように必死に学んで生きない限り、その人と同じ年齢になった時、

追い越すことはおろか、肩を並べることすら出来やしない。

 

 

塔を見上げているだけでは首が凝るばかり。

心を奪われるものに巡り会ったら躊躇せず、自らを自らで狭めることなく…不確定な未来に身体を預けて、前へ。

 

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