本を読まないで育った僕
僕は、「本」を読まない人間だ。
教科書
図鑑
百科事典
ページの半分以上を図表が占める類の本(漫画を除く)
・・・これらは読んだ。(教科書は、否応なしに、だけど。)
でも、小学校のころから、とにかく文章が主体の本は読まなかった。マジで、1年に1冊も読まない、というくらい読まなかった。・・・というより、読めなかったのだ。
本を読まない割には、成績は悪くなかったので、時々母親から、「(頭のいい)●●くんなんて、すごい本を読むのが好きなんだってよ~」ってよく言われた。暗に「本を読め」って言ってるんだよね。
でも、たとえば宿題の読書感想文なんかのために、無理して読んでみても、読み終わってみると、中身をほとんど覚えていない。だから、僕は読書感想文の書き方の指導なんか受けても、ほとんど上達しなかった。「・・・だって、感想を書けるほど中身覚えてないしよ」って言葉は、熱心に指導してくれる先生の前では、口に出すことはできなかったが。
でも、今、立花ゼミにいるくらいだから、この世界に関して、同年代と比べてこの上なく無知であるとは、正直自分でも思っていない。(まあ、ゼミ内には、僕よりもっとすごい人がたくさんいるけど。)
じゃあ、本を読まずに、どうやって「ある程度知的好奇心旺盛」に育ったのか? ・・・つまりそれは、映像の力だ。
テレビを見るのが好きだった。それも、アニメや子供向け番組を見るのは全体の20~30%で、幼稚園のころからニュース番組と紀行番組はよく見ていた。(ってか、母親と父親がそれしか見ないから・・・) 毎週欠かさず見ていたのが、NHKの「いきもの地球紀行」。大好きな杉本さんのオープニング音楽から始まり、あっという間の40分だったのを覚えている。今でも強く印象に残っているのは、アマゾン川の話と、カナダのバフィン島付近のイッカク・シロイルカの話、ピレネー山脈のハゲワシの話、そしてガラパゴス諸島の話。ビデオに録画して、何度も何度も見た。
一方、ニュースは、政治とか経済とかぜんぜん分からなかったけど、「そーりだいじんの細川さん」とか、「ニュースステーションの久米宏さん」とか、「えぬえいちけーの森田美由紀さん」とか、そんな人の名前ばかり無駄に覚えていた。テレビというのは、映像があるので、聞いている音声が意味不明でも、ボーっと見ていることができる。右から左に聞き流していても、特に苦にはならない。
ニュースの最後に必ずある天気予報ってのは、意外と理系的な考え方を身につけるのに役立ったらしい。予想最高気温では、正負の数。降水確率では、確率・百分率。そのほか、日本地図や世界地図。天気図の見方。低気圧と高気圧の役割。前線や台風の動き。「m/s 」や「hpa」の意味。日本や世界各地の地名。たった5分の情報でも、毎日見続ければ、いつのまにか身についた。
僕の周りに、テレビを見るのは1日1時間まで! とかいう家庭があったけど、うちはそんなのはなかった。幼稚園の頃から、夜10時から始まるニュースステーションを見るのが習慣だった。父親が好きだったから。「世界の車窓から」が流れるくらいまで起きていてやっと、母親から「そろそろ寝れば?」の声がかかった。
で、こんなのを見ていたらさ、本なんて、つまらなくてつまらなくて。読んでられるか! ってのが、小学校の頃、中学校の頃、の僕の正直な気持ちだったわけ。この気持ちは、読書がいかに楽しくて、大切か、ということを、やや認識してきた高校生、そして大学生の身分になっても、さほど大きな影響を受けていない。だから、今でも僕は、立花ゼミの中では、あまり(いや、たぶん一番)本を読まない人間だと思う。読んだとしても、まず目次を見て、おもしろそうな章だけを拾い読みする、って感じの読み方のことが多い。
NHKで「映像の世紀」という番組を担当された、チーフプロデューサーの河本さんのお話を、去年の冬に聞いた。それまでは、「本を読めない」ってことに対して、自分でも若干コンプレックスがあったのだけど、そのとき、映像の持つ力を河本さんが力説されるのを聞いて、僕のこの”映像フェチ”はあながちひねくれた性質ではなかったらしい、ということが分かり、やっとやや安心することができた。(え? 違うって? 確かに、本を読むことが習慣の方から見れば、信じられないでしょうけども・・・僕は、本を読めなくても、それほど困ってないんですよ・・・)
で、何が言いたいかっていうと、勉強しない子供、あるいは本を読まない子供にお困りのお母様方、お父様方。
とにかく、子供にとって意味不明な番組でもいいから、ニュースとか、ドキュメンタリーとかを、子供さんと一緒に見てあげましょう。
知的好奇心は、何も学校の授業や、読書だけで身につけなくても、時々、子供に、その中の話題について、ちょっと話を振ってみたりするだけでいいんです。
テレビさえあれば、出費は、NHKの受信料だけでいいんです(笑)
塾の月謝とか、参考書とかを買いあさるのに比べたら、安いもんですよ。