<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	xmlns:series="http://unfoldingneurons.com/"
	>

<channel>
	<title>KENBUNDEN  -東京大学 立花隆ゼミ-　見たい、聞きたい、伝えたい。東大生の好奇心！ &#187; 事前取材レポート</title>
	<atom:link href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/category/projects/%e7%ac%ac7%e5%9b%9enins%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a0/%e4%ba%8b%e5%89%8d%e5%8f%96%e6%9d%90%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>http://kenbunden.net/wpmu</link>
	<description></description>
	<lastBuildDate>Sun, 17 Apr 2011 17:39:18 +0000</lastBuildDate>
	<generator>http://wordpress.org/?v=2.8.6</generator>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
			<item>
		<title>加藤晃一先生: 巨大分子の挙動を解明する</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kato/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kato/#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 28 Mar 2009 14:54:38 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山本 遼</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/?p=157</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kato/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/kato.png" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>分子科学研究所の加藤晃一先生は、今回のシンポジウム最後の講演者です。
薬理作用をもつ巨大分子研究の推進力となったのは、途方もなく地道な努力、そして偶然の巡り合わせでした。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<img style="float: right;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/kato.png" alt="" />

<p>加藤晃一（かとう・こういち）先生は、「糖タンパク質」について研究していらっしゃいます。学部時代は薬学部に所属。主に細胞を舞台として起こる薬理作用の勉強では、教科書を読んでも物質名と作用が列挙されるだけで、実質的には覚えるしかないような風潮があったそうです。タンパク質の一次元的な並び方は分かっていても、実際の現象との関連づけは全く不明だったのです。</p>

<p>生命現象に欠かせないタンパク質は何万個から何十万個もアミノ酸が鎖のように結合したものですが、その鎖の一部分同士が引き合ったり反発したりすることで、その鎖に特有の立体構造をかたちづくっています。</p>

<p>実際の生命体内では、たんぱく質はセルロースやデンプンの構成単位である糖とも結合しており、この糖鎖（糖でできた鎖）がこれまでDNAのコードやその情報をもとに合成されるたんぱく質だけでは分からなかった様々な現象への理解が進むと考えられています（※たんぱく質に限らず、生体内の脂質も糖鎖と結合を作っています）。</p>

<p>HやC、Nなどの原子核の振動と磁気の振動が共鳴する現象を応用したNMR（核磁気共鳴）を使います。分子の中の位置関係によって、同じ種類の原子でも振動の仕方に違いが現れるのですが、このことを逆に利用して、観測された振動のデータ（いくつものピークが連なったグラフが得られます）の違いから各々の原子が分子内のどこにあるのかを突き止めることができます。ここで重要なのは、原理的に1つのピークが1つの原子の振動に対応していることです。</p>

 

<img style="float: left;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/nmr.png" alt="" />

<p>非常に大きなタンパク質を測定するとなると、ごく近くにある原子同士が互いに影響し合ってグラフのピークが重なってしまい、はっきりと一つひとつの原子を区別することが難しいのですが、位置を区別したい原子をそれぞれ同位体（アイソトープ）に置き換えつつ測定するという大変に地道な作業を続けることで、その困難も解決することができました。</p>

<p>加藤先生は細胞に結合する抗体（免疫グロブリン、略号Ig）に付いている糖鎖の立体構造を“切断”していき、その都度上記のような測定作業を綿密に行うことで、抗体と細胞表面にあるレセプター（受容体）の位置関係を解明することに成功しました。この経験をもとに、さらに大掛かりな分子の研究にも着手しています。</p>

<p>「題材そのもの以上に研究を進めていくプロセスが楽しい」とのこと。そしてここまで研究を進めることができたのは、「いい環境に恵まれたから」。所属する研究室で指導してくださった教授などをはじめ、途中で多くの人の力添えを得てこそ今日の成果があるのだそうです。全てを独力で成し遂げられるわけではなく、人と人との多様な繋がりがプロジェクトの進展に大きく関わってきます。それは、途中で扱うテーマが変わっても同じことなのでしょう。</p>

<p>取材後、加藤先生が研究に使用している巨大なNMRの装置を見学させてくださいました。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kato/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
		<item>
		<title>工藤佳久先生: 「可視化」をめぐる半生</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kudo/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kudo/#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 28 Mar 2009 14:45:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>朝倉 彰洋</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/?p=154</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kudo/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/kudo01.jpg" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>5番目の講演者、工藤佳久先生のプレビューで最もショッキングだった業績を一言で表現するならば、「イメージング」つまりは可視化の技術でした。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<img style="float: right;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/kudo01.jpg" alt="" />

<p>工藤佳久（くどう・よしひさ）先生のプレビューで最もショッキングだった業績を一言で表現するならば、「イメージング」つまりは可視化の技術でした。</p>

<p>これがどれだけすごいのかを分かっていただくために、この技術がなかったころの話からはじめましょう。たとえば、神経の活動を調べたいとします。神経の活動はカルシウムやカリウム、ナトリウムといったイオンが移動することだとかなり前からわかっています。そのため、神経細胞の外側と内側に電極を用意して、刺激を与えたときにどれだけの電流が流れるのかを調べることで、神経細胞の活動を調べることができます。ただ、こうして調べた結果は、細胞の内側の世界と外側の世界がどう違うのかを言っているだけであって、実際に細胞のどの部分でどれだけの反応が起きているのかを知ることはできません。</p>

<p>一方で、可視化の技術を使えば、細胞のどの部分がどれだけ活動しているのかを知ることができます。どこにどれだけのイオンがあるのか分かるためです。さて、このイメージングを数十分の一秒という短い時間で連続的に行い、それをつなげてみるとどうなるでしょう。パラパラ漫画の高速版、アニメーションになりますね。このようにして、刺激に反応している部分、興奮している部位がどのように移ろっていくかまでも「見える」ことでわかってくるのです。実際に工藤先生が研究された順番ではこちらが先になりますが、神経同士がつながったネットワークの中をどのように興奮が伝わっていくのかということも、同じメソッドによってわかります。</p>

<p>可視化の手法で得られた画像なりアニメーション（ビデオ映像）なりを見て、わたしたち単純にすごい！と感じます。しかし、この手法はより優れた点があるのです。</p>

<p>まず、この手法では電極を細胞に突き刺さずに済みます。細胞にとっては電極を突き刺されるだけでも刺激になってしまいますが、工藤先生の手法では顕微鏡から撮影するだけです。もちろん細胞は痛みません（強すぎる光を当てると痛みますが）。こうして、より客観的現象を観察できるようになります。</p>

<p>次に、一回の実験で多くの対象を観察できることがあげられます。先生の手法では、観察される光の強弱とイオンの量が比例するようになっています。実験をビデオテープに録画しておいて、このビデオを再生しながら光の強弱を観測していけば、同時に観測できる点の数は観測装置の限界から少なくても、ビデオの再生は何度も繰り返せるのですべての点を観測できます。それも、各点にどれだけのイオンがいるのかもしっかりわかります。どれだけの規模を対象にしたのかは、実験において重要な情報です。実験自体が繰り返せなければ、観測を繰り返せるようにすればいい。まさに発想の転換が道を開いたといえるでしょう。</p>

<p>今日では観測機器やコンピュータの性能向上により、このようなメソッドが使いやすくなったそうです。</p>

<p>この先進的な手法によって、かつては無視されていたグリア細胞が、ニューロン神経ネットワークで大きな役割を果たしていることがわかりました。神経の機能を理解するのに非常に重要な発見でした。</p>

<p>これよりも前に工藤先生は記憶のメカニズムに関する神経の働きについて調べ、、論文をNatureに投稿されたそうです。しかし、投稿された先生の論文は、「信頼できない」と、論文の信頼性を担保しているレフェリー（査読者）に落とされてしまいます。この論文は結局ほかの学術誌に掲載されたそうです。頭の中が旧態依然としたレフェリーによって画期的な発見が切り捨てられてしまった、そう見えるかもしれません。ですが、工藤先生はより厳密な判断をするように促されてかえってよかったかもしれないとおっしゃっていました。</p>

<p>また、可視化の技術それ事態の危うさについても教えていただきました。上で書いたように、私たちは「まぁすごい」と画像を絶対視してしまうかもしれません。画像にある赤や黄色の色づけは、実際のどんな数字と対応しているのかを忘れさせるかもしれません。ほんのわずかの差しかないようなデータも、色付けをすることで、あたかも大きな変化が起こっている反応のように見せることができます。</p>

<p>生命科学は確かにHOTな分野ではありますが、それゆえに捏造や欺瞞がはびこり、「本当のところはどうなのか」を問い続ける科学者までもが泥をかぶらないように願っています。</p>

<p>プレビューのあとで東京薬科大学の研究室を見せていただきました。観測機器が高度に、精密になるにつれて、設備を整えるにもかなりのお金が必要になっているようです。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/kudo/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
		<item>
		<title>山森哲雄先生: 飽くなき探求、そして大きな決断</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/yamamori/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/yamamori/#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 28 Mar 2009 14:40:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>朝倉 彰洋</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/?p=152</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/yamamori/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/yamamori1.png" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>4番目の講演は、山森哲雄先生です。
「大腸菌の熱ショック現象」から「霊長類の脳」…研究対象を転換した動機とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<img style="float: left;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/yamamori1.png" alt="" />

<p>山森哲雄（やまもり・てつお）先生は大学院生時代に熱ショックたんぱく質が大腸菌に存在することを実証するという輝かしい功績を挙げられています。周辺の温度に対応するために、細菌から人間まで、生物は温度に応じた特定のたんぱく質を産生します。この特定のたんぱく質が熱ショックたんぱく質と呼ばれています。しかし、化学反応は温度が高いほど速く進むので、温度が変わったからといって特定のたんぱく質だけの産生量が増えるとは考えられないとされていました。山森先生は大腸菌の産生するたんぱく質の量をできるだけ個別に調べることで、特定のたんぱく質の産生量だけが本当に増加していることを確かめました。1970年代後半のことです。その後熱ショックたんぱく質の研究は進み、現在では生体の中で非常に重要な役割を果たしていることがわかっています。</p>

<p>しかし、ここで山森先生は研究分野を転換します。自分がやらなくても、熱ショックたんぱく質の研究は、他の人の手でなされていくだろう。他の誰もやらないような、自分しかできない研究がしたい。そう考えた山森先生はアメリカへ留学し、「ドクターコースをやりなおすようなもの」というような研究生活を送ることになります。</p>

<p>それから泥沼の20年が始まります。山森先生は脳というあまりに巨大な謎に立ち向かいました。私たちが何気なく使う「前頭野」などの言葉でさえも、「そうなっている」ことはわかっていても、「どうしてそうなるのか」は当時まだわかっていませんでした。しかし、山森先生は2001年に視覚野という部位で特定の遺伝子が刺激に応じて特別にはたらいていることを発見しました。</p>

<p>実は、哺乳類が持っている脳に関連した遺伝子の数は、2万から3万塩基と、ヒトでもラットでも大して変わりません。そのため、特定の遺伝子が発現するか否かが、ヒトに代表される霊長類の高度な脳を実現していると考えられます。これを実証したのが山森先生の研究なのです。もちろんアメリカなどの研究者も同様の研究を行っていましたが、ラットを用いた研究でした。一方、山森先生は霊長類たるサルで研究することで、この研究成果をあげられました。ラットもヒトも同じ哺乳類ではありますが、その両者のあいだにある差異がクリティカルなことがあるということです。</p>

<img style="margin: 0 100px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/yamamori2.png" alt="" />

<p>いま、山森先生はどの遺伝子がどこでいつ発現するのかを調べています。このような研究は一定期間で「成果がこれだけでる」とは言えないそうです。現在、サイエンスの中心はアメリカだと言われていますが、アメリカの研究者は「こうこうするとこれこれの時間でどれだけの成果がでる」と言って予算を獲得しています。それも実用上の、経済的に意味のある成果が求められます。このような環境では、まだなにもわかっていない分野で、どのような発見があるのか予期できない研究は、できなくなってきています。この点では、基礎研究にとって、日本の方が研究環境がいいのかもしれません。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/yamamori/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
		<item>
		<title>伊藤公孝先生: 核融合理論から拡がる世界観</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/it/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/it/#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 28 Mar 2009 14:27:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山本 遼</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/?p=148</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/it/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/ito01.jpg" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>講演の3番手は、核融合科学研究所の伊藤公孝先生。ご夫婦で研究なさっており、核融合で突然起こる「L-H遷移」の理論的説明に成功した方です。
しかし、「境界」の存在は、私たちの世界認識を支える重要な柱でもあるのです。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[ 

<img style="float: right;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/ito01.jpg" alt="" />
<p>
伊藤公孝（いとう・きみたか）先生は、核融合科学の理論で画期的な発見をなさっています。
</p><p>

核融合科学は、将来の地球のエネルギー源として期待されている「核融合」を研究する学問です。核融合とは、太陽などの恒星で日々生じている、ふたつの原子核が一緒になり新たな元素が生まれる反応です。太陽のような質量が大きい天体では、その重力によって原子が高密度に濃縮され、原子核同士が引き合わされることで、核融合反応が生じます。その際に生じる莫大なエネルギーによって、太陽は数十億年にわたって輝いてきました。しかし、地球は質量が小さいため、自然に核融合が生じるような環境ではありません。地球上で核融合を起こしてエネルギーを生じさせるためには、原子同士が接近して融合するような状態を人工的に作らなくてはなりません。現在のところ、人工的な核融合反応から得られるエネルギーは、核融合反応を起こすために必要なエネルギーよりも小さいため、発電所としてはまだ実用段階に至っていません。しかし、研究は世界中で進められており、将来高い効率が得られるようになれば、人類の画期的なエネルギー源になります。
</p><p>
3月2日、岐阜県にある「核融合科学研究所」に、伊藤先生を訪ねました。
</p><p>
1982年、核融合の手法の一つである「トカマク型」と呼ばれる装置で、実験中に「Hモード」と呼ばれる現象が発見されます。「トカマク型」は、人工的に発生させた高温のプラズマを磁場によって容器に閉じ込め、核融合が生じる状態を保つ装置です。「Hモード」は、ある条件においてトカマク型における核融合の効率が飛躍的に上昇する現象であり、偶然発見されたため、当時は理論的な解明が追いついていませんでした。伊藤先生は、ドイツで研究中にこの「Hモード」を説明する画期的な理論を発表しました。この理論によってトカマク型の核融合装置の研究は大きく飛躍し、現在はトカマク型による「核融合発電」に手が届きつつあります。
</p><p>
 

<img style="float: left;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/ito02.jpg" alt="" />

日本は、核融合研究において世界トップクラスの技術力を誇っており、JAEAの「JT-60」や、核融合科学研究所の「LHD」など、国内にも大型の核融合研究施設が建設されています。また、日本も開発に参加している「ITER」プログラムでは、世界初の「核融合発電」の実証を目標に掲げています。核融合は、核分裂による原子力発電とは異なり、高レベル放射性廃棄物が生じず、また、その性質上、炉が暴走するといったこともありません。実用化すれば「夢のエネルギー源」となることはほぼ確実で、地球上のエネルギー問題を一挙に解決してしまう可能性を秘めています。また、核融合の研究は他の学問分野への応用性が高いことも多く、核融合科学での前進は、科学全体の進歩にも貢献します。「考えることが仕事なんです」と語る伊藤先生。先生の講演は理論物理における「画期的発見」を追体験できる貴重な場となることでしょう。
</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/28/it/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
		<item>
		<title>中井直正先生: 銀河中心の巨大ブラックホール観測</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/24/nakai/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/24/nakai/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 23 Mar 2009 16:00:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>窪田 史朗</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/?p=25</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/24/nakai/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/nakai01.jpg" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>2番目に講演なさった中井直正先生は、電波天文学の専門家。銀河中心部の超巨大ブラックホールの観測・研究で有名な方です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img style="float:right;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/nakai01.jpg" alt="" /> 中井直正（なかい・なおまさ）教授は、電波天文学の専門家で、特に銀河中心部の超巨大ブラックホールの観測が有名です。</p>  <p>先生が観測に使ったのは、水MASERです。 LASERと同種のもので、違いは周波数がマイクロ波の領域であることだけです。 人間が普通に生活している環境では、人為的に特殊な条件をそろえない限り、レーザーやメーザーの発振は起こりません。 しかし、宇宙は広い。 特に宇宙空間に広がるガスが希薄であることが大きな要因になるようですが、 宇宙には天然のメーザー発振源が数多く存在するのです。 1970年代末から80年代に掛けて、欧米の電波望遠鏡によって、5つの銀河で非常に特徴的なメーザー源が観測されました。 1.銀河の中心部から 2.太陽の全放射エネルギーの数百倍に達するエネルギーのメーザーを放射している というもので、天の川銀河が放射している水メーザーと比較すると、 その数百万倍に達すると言う、極めて強力なものでした。 後にアメリカのグループが、そのうちの一つM106のメーザーの強度が時間変動しているという論文を発表します。 中井先生もその結果の追試をしてみようということで、野辺山天文台にある、 45mの電波望遠鏡でその銀河を観測しました。 その当時、野辺山天文台の45m鏡には、当時の世界標準の数倍にあたる、8台の分光計が備えられていました。 そこで、中井先生は折角あるものは活用しようと、 ターゲットであった周波数帯のかなり外側の部分まで観測範囲を広げて分光を行いました。 すると、全く予期していなかったことに、電波源が秒速1000km/s程度という超高速で運動しているらしいことが分かりました。 この水メーザーは、低温の水分子から放出されるものであるため、この結果は不可解でした。</p>  <p>秒速1000km/sとはどんな速度でしょうか。他のものと比較してみると、 光速の0.3%、太陽系の銀河に対する公転速度の5倍、地球の公転速度の34倍、音速の3000倍、と言った所です。  この超高速のメーザー源が一体何なのかを調べるため、先生はVLBI (Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉計)を用いた観測を行いました。 先生が利用したのは、北米大陸に設置された10台の電波望遠鏡を組み合わせたVLBAと呼ばれる電波望遠鏡群でした。 この望遠鏡群は、東西8000km、南北4000kmという広大な領域に点在しています。</p>  <p>VLBIは、既知の2観測点間の距離と、同じ信号が2観測点に到達する場合の時間差から、 極めて高い精度で目標の角度を割り出すことが出来ます。 基線が長くなればなるほど、同じ信号が到達する時間差は大きく、つまり検出しやすくなります。 その結果、基線が長くなると、極めて高い精度で信号の来た方向が決定できるのです。 地球規模の超長基線を用いた場合、1000分の1秒(=3600万分の1度)という、超高精度が達成可能です。 これは、光での観測の100倍程度の精度です。  結果、電波源のサイズが対象銀河全体に対して10万分の1以下と極めて小さいこと、 その領域の中心にある何かに対して軌道運動を行っていること、を明らかにしました。 中心天体は、これらの結果から銀河の100万分の1以下、1光年を切る領域に、 太陽の3900万倍にも達する巨大な質量が局在したものだと推定されました。</p>  <p>そしてこのような巨大な質量を持ちうるものには恒星の大集団やガス、そしてブラックホールなどがあります。 しかし、ガスは拡散してしまいますし、もし恒星の集団だとしたら、互いにぶつかって壊れてしまうので、 その寿命はせいぜい1千万年程度だと計算されています。 この時間は、数十億年から100億年と言う、銀河のタイムスケールと比較すると、ほとんど一瞬であり、 その瞬間に人類が丁度良く観測できるということはめったにないでしょう。 そういった意味で、この巨大質量の正体がブラックホールである蓋然性が極めて高いと判断されます。</p>  <p>この発見を支えたのは、光では&#8221;見えない&#8221;ものが見える電波の特質と、 VLBIという、超高精度を達成する手法を組み合わせる方法でした。  さて、その強力なVLBIですが、欠点もあります。 基線の長さを伸ばせば伸ばすほど、空間分解能は高くなるのですが、 それにつれて観測する天体が強い電波を出していないと観測できなくなるのです。 さらに基線を延ばすため、軌道上に電波観測を行う衛星を配置するSpace-VLBIでは、 地球の直径を越えるような超長基線を得られ、それによってさらに一桁上の精度(1万分の1秒の桁)が達成されています。 その代わりに銀河の中でも極めて明るい部類に属するものや、クェーサの様な強力な電波源以外観測できなくなってしまいます。  その欠点を補うには、数多くの電波望遠鏡を組織的に運用して、VLBIを行うことです。 先生がブラックホール観測に利用したVLBAも、こういった発想のものです。</p> <p>しかし、もっと組織的に構成した電波望遠鏡群を建設しようと言う計画があります。 それが、ALMA(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)計画です。 この計画は、チリのアンデス山脈中にあるアタカマ砂漠の18kmの領域に、 12mと7mのアンテナを、あわせて80台建設しようと言う、野心的なものです。 アメリカ国立電波天文台、ヨーロッパ南天天文台、そして日本の国立天文台の共同計画の形を取っています。  先生はこのALMA計画にも深く関わっていらっしゃいます。 この計画の起源は、森本雅樹氏の、野辺山に大規模な電波干渉計を作ろうと言う計画に遡ります。 この計画は、10mのミリ波望遠鏡を5台用いる形で現実化しますが、当初の計画は、同じ型の望遠鏡を30台組み合わせたものでした。 これではお金がかかりすぎるため、望遠鏡を置く場所は30箇所用意し、その間にレールを敷いて、 望遠鏡の方を時々に合わせて移動させることで、5台のアンテナでも、 もっと多数のアンテナがあるかの様に使えるシステムを作りました。 とは言っても、移動させている間は観測できませんし、移動させる前と後では当然&#8221;同時に&#8221;観測するわけではありませんから、 出来ることならもっと多数のアンテナが使いたい。そこで、30の土台全てに望遠鏡を据え付けようという計画が動きます。 この計画を推進していたのは海部宣夫氏だったのですが、海部氏はすばる望遠鏡の建設のため、野辺山天文台を去りました。 後に残された野辺山の研究者たちが計画を引き継ぐことになったのですが、その中の一人が先生でした。  さてここまで大型電波干渉計を日本に建設しようと言う計画だった訳ですが、 中井先生はこの後海外へ建設しようと言う提案を行います。この提案自体は、大きな反対もありませんでした。 そこで、先生たちは世界各地の候補地をまず文献調査、次に実地�
�査しました。実地調査に行ったのは、 ハワイや中国北部やチベット、そしてチリのアタカマ砂漠などでした。  電波にしろ光にしろ、望遠鏡の観測に適した土地とは、</p>
<ol>
	<li>晴れの日が多い</li>
	<li>湿度が低い</li>
	<li>大気が薄い(海抜が高い)</li>
	<li>周囲に人家など、光や電波を出すものがない</li>
</ol>
<p>と言った条件を満たす場所です。さらに、電波干渉計を建設する場合は、建てる望遠鏡が1台や2台ではありませんから、 それを建設するのに十分な広さも必要です。贅沢を言えば、広くて平らな土地が欲しい。 こういった観点から見て、チリのアタカマ砂漠は最高でした。</p>
<ol>
	<li>高い晴天率(年間の70%以上晴れ)</li>
	<li>砂漠地帯の少ない降水量(年間降水量100mm以下)</li>
	<li>標高5000m近い高地であり、気圧は地上の半分程度(ハワイは4200m程度)</li>
	<li>砂漠地帯の上、周囲は山</li>
	<li>さらに高地にありながら、幅長さ共に数十kmに及ぶ広大で平坦な土地</li>
</ol>
<p>また、チベットや中国内陸部と違い、大きな港から距離が近いこと、 さらにチリからボリビアに抜ける道路の傍であることなど、機器の輸送や建設の面でも魅力があります。  こうして中井先生は電波干渉計はチリに建設すべきだと言う確信を持ったのですが、 国立天文台内部には、ハワイに建設しようと言うグループもいました。 ハワイには既にすばるの建設が行われていましたし、生活水準も高い、電力なども潤沢だ、と言った理由からでした。  <img style="float:left;margin: 10px" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/nakai02.jpg" alt="" /> 先生は大金を投じるのだから最高の成果を出さねばならないと、チリに計画を持っていくべく奮闘します。 苦労と紆余曲折を経て(この部分は当日の講演にご期待ください)、アメリカがアタカマ砂漠への電波干渉計建設を決めた辺りから、 日本でも｢やはりアタカマに作るべきだ｣という意見が大勢になります。 そして国立天文台のLMSA、アメリカのMMA、ヨーロッパのLSAという、アタカマ砂漠に大型の電波干渉計を作る、 各独立した3つの計画が立ち上がりました。その後折角なら一緒に作ったほうがいいものが作れると、 この3つの計画は集約され、現在のALMA計画が誕生しました。  先生のおっしゃった、アタカマ砂漠が地球上で観測に最も適した場所であることを指しての、 ｢正しいことは正しいのだ｣という言葉が印象的です。  実はアタカマ砂漠を越える、大気中に水分が少ない場所が存在します。 それは、南極大陸中央部です。南極では空気中の水分は瞬く間に凍りついてしまうため、 大気中に漂わず、雪として地面に降り積もっていきます。結果、湿度は年間を通して極めて低く保たれます。 先生は現在極地研究所と共同で、標高4000m近いドームふじ観測施設に、10m級の大型電波望遠鏡を設置する計画を推進しています。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/24/nakai/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
		<item>
		<title>大隅良典先生: 生命体のリサイクル機能を究める</title>
		<link>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/23/osumi/</link>
		<comments>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/23/osumi/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 23 Mar 2009 14:57:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山本 遼</dc:creator>
				<category><![CDATA[事前取材レポート]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://kenbunden.net/kbd_wp/archives/19</guid>
		<description><![CDATA[<a href="http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/23/osumi/"><img align="left" hspace="5" width="150" src="http://kenbunden.net/nins07/img/pics/osumi.png" class="alignleft wp-post-image tfe" alt="" title="" /></a>第7回NINSシンポジウムの最初の講演者は、大隅良典先生。細胞単位で起こるオートファジー（自食作用）という現象を研究なさっています。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<img src='http://kenbunden.net/nins07/img/pics/osumi.png' style='float:right;margin: 10px' />
<p>大隅良典（おおすみ・よしのり）先生は細胞内で起こる「オートファジー」と呼ばれる現象を研究する第一人者です。</p>

<p>DNAの遺伝暗号（4種類の塩基からなる1次元の配列）はmRNAに転写され、その情報を用いてオルガネラの一つであるライボソームribosome（「リボソーム」ともいうが、こちらの方がより英語に近い）でタンパク質が合成されます。こうした「構成」的プロセスに対し、いわばその逆の「分解」にあたるプロセスがオートファジーautophagyです。</p>

<p>この仕組みを発見するきっかけとなったのは、酵母菌への栄養供給を止めた際に液胞の周りに突如として細胞質の一部分を包み込むように膜が生じ液胞に入る、という現象でした。液胞の消化機能を人工的にストップさせると、この膜構造が液胞の中にどんどん蓄積されていく様子がはっきりと観察できたのです。後に、この膜はミトコンドリアなど周りの小器官を消化するため、小器官を呑み込んで液胞まで運ぶ役割を果たしていることがわかりました。</p>

<p>外部から栄養が得られなくなった時も細胞は機能停止するわけではありません。常時「構成」と「分解」のサイクルが回っていて、外部との物質のやり取りがなされなくなっても、自らの内側にある各器官を「リサイクル」して生産活動を持続させようとする見えない仕組みが備わっているためです。また、この機能自体が働かなくなると、細胞は本当の「死」を迎えることになります。</p>

<p>オートファジーが、細胞に侵入してきたバクテリアを殺すなど、単なる細胞の持続的活動にとどまらない役割をも果たしていることも明らかになっています。また、ある種の疾病はオートファジー機能が不全であるために生じると考えられており、医学・薬学的応用への展望が開けたこともあってか、今や多くの研究者がテーマに選ぶようになりました。</p>

<img src='http://kenbunden.net/nins07/img/pics/osumi2.png' style='float:left;margin: 10px' />
<p>しかし、いわゆる「基礎科学」・流行に乗らない科学的研究を重視なさる大隅先生は、始めはなかなか認知されなかったオートファジー研究が現在ある種の「流行り」の時期を迎えていることについて、あまり楽観的ではありません。</p>

<p>研究のそもそもの動機は純粋な科学的興味や感動にあるわけで、「役に立つ」かどうかとは別問題…研究のトピックも、「成果」「進歩」の程度も、後になってみなければ評価できない、と先生は言います。近年、世界規模で研究職における極端な成果主義的性格が強まり、研究者が資金確保に躍起となっている事態は大学生である私たちの耳にもよく入ってくる話ですが、大隅先生はこのような「近視眼的な」実用性ばかりを追い求める風潮があることに強い危機感をお持ちでした。また、それに加え、研究者の人間的コミュニケーションが希薄になり、研究の進展に悪影響を及ぼしているという点も指摘しています。加藤先生もおっしゃっていた、研究の「全て一人で成し遂げるものではない」といった性質をよくご存じだからこそ感ぜられることなのでしょう。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://kenbunden.net/wpmu/blog/2009/03/23/osumi/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
	
		<series:name><![CDATA[第7回NINSシンポジウム事前取材]]></series:name>
	</item>
	</channel>
</rss>

