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2009.7.13 | by admin

日露戦争と平成生まれが同居するジダイ

日露戦争と平成生まれが同居するジダイ

伊藤さんは、歴史と自分のリンクをさらに体感したいと感じたという。それが最新号、第10号の「時を拓く」という特集につながっている。この号では100年前から現在までの年表と自分の年齢を併記させることで世相がどういう風に影響してくるのかということを考えさせている。例えば若くして夭折したカリスマ歌手尾崎豊がデビューした年というのはまさに校内暴力があった時代で、その翌年には熱血ラグビードラマの「スクールウォーズ」が放映されている。

なるほど。自分事化、か。

なるほど。自分事化、か。

伊藤さん 自分が何歳だった頃にどういうことが起こったのかを考えることで、もしくはある物事が起こったとき、自分の祖母が20歳だった頃がある、自分の母親が乙女だった頃があるということを感じてもらうための年表です。僕が今回ここにいる皆さんを想定した時にこの年表を見ると、90年生まれの人がいるんですか?いますね。90年といえば僕は15歳、中学生だったのですが、その時にまさに生まれた人がいるってことは、例えば「阪神大震災」というのは当たり前のように知っていることを前提として会話してしまいますし、オウムの事件もそうですが、その頃5歳くらいということですもんね。そう考えると、阪神大震災とかは記憶ないですか?オウム真理教は教科書で知る感じですか?というぐらいのことなんだということを、この年表を通じて見てほしくて。こんなことは本当は年表をつくらなくても同じ歴史を違う人たちが違う年齢で迎えているということは間違いないんですが、僕にとって年表はそういうツールでした。

さらに年表の延長で、実際にニュースの中にいた人を取材した。日系ブラジル移民、関東大震災の経験者、ひめゆり学徒隊、日大全共闘の士、バブルの頃にお立ち台で踊っていたお姉さん。「あの日」にフォーカスした記事をつくることで、伊藤さんはあることに気づいた。

伊藤さん 超高齢化社会というというのは100歳差の人たちが同時に生きている時代なんですね。一番高齢の方は日露戦争を経験しているかもしれない。日露戦争で生まれた人と、みなさんのようにベルリンの壁が壊れた頃に生まれた人、今生まれた人、それらが同時に生きているということが、僕はこの特集をやっていて一番おもしろかったことです。同じ事件でも見方は全く違いますし、歴史に載っていることをそのまま語ってくれる人がいるんですね。

この特集をやりながら最終的に、今生きている人たちが何を考えて何を思っているのかということをアーカイブしたのが「時を拓く祈り」というコンセプトの記事になっていた。

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