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2010年度《見聞伝 駒場祭特設ページ》
2009.7.13 | by admin

「街ヲ想フ」

「街ヲ想フ」

そんな視点でもう一度GTを見てみる。第2号の特集「街ヲ想フ」。街というテーマを伊藤さんはいかに自分事化したのだろう。

伊藤さん 当時市町村合併があって3000くらいあったものが1000そこらになってしまう時に、「そもそも街って何だ?」「国とか地球のことを語る前に自分の街のことも僕らはわからないな」という興味でテーマを組んだのですが、もちろん、記事の中には例えば湯布院の合併の話やコミュニティスクールという既存の学校をどうやって街へ開いていくかという取り組みを取材していますし、休業をしていた時のCoccoというミュージシャンに「ただの沖縄の一人の女性として」という視点で当時やっていたゴミ拾いのことを記事化して読者の方にも興味を持ってもらうようにしています。けれど、結局原点に還ったとき、「自分が住んでる街のことを知らない」という時に「僕はどれくらい知らないんだろう」ということを体感することから始めようと思いました。これがこの号のメインコンテンツとなっています。

確かに見たことがある。でもなんだか知らない。

確かに見たことがある。でもなんだか知らない。

 

伊藤さんは、「街で見たことがあるがよく意味が分かっていないもの」をひたすら撮りためることから始めた。例えば路上に残されたイニシャル、「消火栓」という看板の首にある矢印、区と区の境目の表示、選挙ポスター、そして戦争遺跡。どれも確かに僕たちの街を構成する要素なのだが、示されてみて初めて「そう言えば考えたことなかったな」と目を見開かされる。(これらが何を意味するか、調べてみてほしい。)中でも戦争遺跡は興味深い。なんの変哲もない並木通りが実は戦時中は滑走路として使われていた。僕らのふとした日常がかつての戦争とリンクしていること、この平和な日本にも戦争があったという事実をリアルに感じられる。まさに日常の風景から戦争が自分事化されていく。

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