読書の習慣
7 月 11th, 2009
『すべての人にベーシック・インカムを』を読み終えた。
図書館一階新着図書のコーナーにあったこの本。 ベーシックインカムというアイデアへの興味、ただそれだけで手にとってみた。
著者の主張は三つにまとめることができる。すなわち、現在の経済システムが健全でないこと、ベーシックインカムは共産主義的な思想ではなく資本主義にこそ必要とされる制度であること、そして何よりベーシックインカムは現実に可能なものであるということ。
いま挙げた三つの主張を補佐する形で、具体的なエピソードを交えて論が展開される。税制、企業経営、逆に働き手として、消費者として。それぞれの立場から、資本主義、市場主義の世界を維持し、発展させるためにはベーシックインカムが有効であると述べている。
私が興味深いと考えたのは、以下の点だった。
ひとつは、ベーシックインカムの財源として消費税(付加価値税)を50%にする一方で、他の税は廃止すること。これは、既に市場に出回る製品の価格の一部が法人税や労働者の所得税を内包しているからだという。すると、結局のところ消費税で全ての税収をまかなったところで、店頭で消費者が支払う金額は多くなろうとも、トータルで見た消費者の税負担は変わらないという話だ(所得税や社会保障費はもはや存在しない!)。例としてドイツが付加価値税を導入した際の税制改革で、ほとんど物価が上昇しなかったことがあげられている。税制度が資本主義をゆがめ、公正な競争を阻害している。税制度の抜本的な改革こそ必要なのである。