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科学研究の現場を研究する―福島真人先生インタビュー

(2010.12.4公開!)
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・はじめに

「科学研究の現場を見て、研究する」。本当にそのような研究があるのかと驚いた方もいるかもしれない。科学研究の面白さ、苦労、現場を伝えたいと考えていた私達は、そのような研究があると知り、科学研究の現場を見るという点で共通していると思った。

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注釈:「東大の進学振り分けについて」

ここでは東大特有の「進学振り分け」について話している。東大の学生は、最初の2年間は全員が教養学部(駒場キャンパス)に属し、幅広い分野の基礎を学ぶ。ただ、入試時に文科一~三類、理科一~三類と呼ばれる科、類を選択することになっており、それぞれ重点的に学ぶ分野が異なっている。この2年間は前期課程と呼ばれている。後半の2年は法、経済、教育、教養、文、工、理、農、薬、医の各学部に別れて専門分野を学ぶ期間で、後期課程と呼ばれている。この後期課程でどの学部学科へ行くかは、本人の希望を取った上、希望者多数の場合は前期課程の科類とその成績順で決められる。この学部・学科を決める手続きを「進学振り分け」(通称:進振り)と呼んでいる。

教養学部は前期課程の全学生が所属することもあって、1、2年生が行く所というイメージが強いが、3、4年生の後期課程、さらに総合文化研究科という大学院もある。教養学部後期課程では、文系から文理の境界、理系まで6つの学科があり、その一つの総合社会科学科に国際関係論分科と相関社会科学分科がある。

教養学部の後期課程は採用枠が少なく、前期課程は一学年で3000人以上学生がいるのに対し、後期課程は一学年300人程度である。そのうち文系の学科は文科三類、通称「文三」からの採用枠が多くそこから進学することが一般的だが、倍率が高く進学が難しい。対して、文一、文二は法学部、経済学部に行く学生が集まっている。そのため定員に対して教養学部を志望する学生は少なく、文三より進学しやすい場合がある。

13. 研究者を目指す学生へ

―最後に、研究者になろうと考えている学生へのメッセージをお願いします。

難しいよね。研究者になろうとしている人で、ある程度それぞれの分野で研究のイメージが確立していて、かつ自分のやりたいことがはっきりしていれば、その道をやってくれればいい。

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12. 科学現場を研究する意義

―先生の研究を授業で聞くまでは、科学の現場研究という方法があるとは知りませんでした。日本では研究をされている方がいらっしゃらないですよね。

科学と社会の関係について、一般的に議論している人は大分います。倫理系とか、科学コミュニケーションの研究者です。しかし現場に長期間通って議論する人はほとんどいないですね。海外では少なくないですが。日本ではこの分野については、海外の成果を紹介することで終わっている気がします。 Read more »

11. 「研究」と「伝えること」の違い

―この研究と科学ジャーナリストのやっていることの違いはどこにあるのでしょうか?

科学現場研究のさきがけとして出た、ラトゥールとウルガーの「ラボラトリーライフ」と、ちょうど同じ研究室を見たジャーナリストのウェイドの「ノーベル賞の決闘」※という本があります。「ノーベル賞の決闘」は脳下垂体から出る物質の構造決定をめぐって、シャリーという人とギユマンという人が熾烈な研究争いをする様子をドラマチックに書いた物語です。 Read more »

10. 科学者集団の特徴

―ずっと続いているテーマとしては、人間の集団としての認識とか、集団行動とか、合意形成という点になるのでしょうか。

そうですね、精神病院研究の頃からは、人間の認識(考え方)と、組織的なコーディネーションという方向に関心がきゅっと締まっていました。救命センターの所で話したけど、医局みたいな所で異なった役職で異なった考え方がある時、そして問題が起こった時に、人々がどう考えてどのようにチームワークをするかという問題です。

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9.現場調査の内容

現場でやることにはいくつか方法があって、一番やりやすいのは毎週行われるラボ内の研究発表会を聞きに行って、内容について後で担当者とディスカッションをすることです。最初は研究室の発表を聞いたときに、「ペルシャ語に聞こえる」って冗談で言っていたんです。でも不思議なことで、やっているうちに体で慣れてくるんですよ。さすがに二年近く聞いていたら、だいたいの骨格はわかるようになります。

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8. 現在の研究のポイント

欧米ではこういった科学現場でのフィールド調査が70年代後半から始まっています。そのため、今では科学の各分野での様々な研究活動の細部について、面白い議論がいくつもあります。だから、我々の研究を英語で書いてそのまま出しても、日本の研究室という条件は珍しいけど、それだけだとインパクトが弱い。もう少しその研究室から引き出せる独自の問題設定みたいなものを前面に出さないといけない。

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7. 科学研究へ

一年間サバティカル(研究などのための長期休暇)をもらって、救命センターの調査のネタを持ってフランスに行きました。科学社会学のセンターで二ヶ月留学していて、そこでフルに科学の社会学をやっている人と接触した。やっぱり彼らから見ると救命センターではまだ科学度が足りないと感じたようです。

それで、帰ってきてから、本格的に、もっと基礎的な科学現場の研究をしたいと思ったんです。僕の昔からの知り合いと話しているうちに現場で調査しようということになり、理研は特に大きくて歴史も長いし、その組織も含めて研究するのは面白いと感じました。

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6. 精神病院と救命センター

―その後の精神病院での研究は、人間の考えと言葉といった、先生がジャワで持たれた興味と関係あるのでしょうか。

これはいくつかのレベルで複雑に関係しています。統合失調症(分裂病)というのは、言葉そのものが解体するような経験というか、何言っているか分からないような事を言ったりする状態になる。そういう人達が何を考えていると言えるのか。言葉と思考、あるいは言葉にならない思考とか、そういうものをどうやって研究できるのかな、と思っていました。これはそれこそ学部時代から刷り込まれたものだから、常に関心があったのは事実です。

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見聞伝とは?

東京大学見聞伝では、各人が興味・疑問をもったことについて文理の枠を超えて自由に企画を立ち上げ、自主的に取材し、それぞれの分野で活躍されている方の生の声や、そのお話から新たに発見したことを、インターネットなどを通じて発信する活動を行っております。

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定例会

定例会は毎週水曜日の午後6時から午後9時まで、駒場キャンパス学生会館や、各教室で行っております。様々な大学に所属するゼミ生が活動していますので、他大学の方や社会人の方の参加も歓迎です。気軽にご参加ください。
参加希望者は、こちらまでご連絡ください
ゼミ長 福井 k.fukui714[at]gmail.com

書籍「二十歳の君へ」

書籍「二十歳の君へ」

文藝春秋刊「二十歳の君へ 16のインタビューと立花隆の特別講義」が2011年1月に発売されました。著名人からの20歳の若者たちへのメッセージ、立花隆の特別講義、そしてゼミ生による手記の3部構成となっています。

「二十歳の君へ」公式サイト
amazon.co.jp へのリンク

あらまし

1996ゼミナール第一期
教養学部総合科目「応用倫理学」開講
テーマ「サイバーユニバーシティ」
   「調べて書く」
1997テーマ「調べて書く、発信する」
1998「環境ホルモン入門」
書籍『二十歳のころ』出版 (新潮社)
2000テーマ「新世紀デジタル講義」
2005ゼミナール第二期 「SCI」
巨大科学サイト「SCI」の製作・運営
2007ゼミナール第三期 「見聞伝」
五月祭企画「徹底討論!核融合」
駒場祭企画「憲法集中講義」
2008駒場祭企画 特別講演会
「今語られる、東大、学生、全共闘」
2009駒場祭企画 特別講演会「二十歳の君へ」
2010立花教官退官・サークル化
駒場祭企画 若者論 / 宇宙論
2011書籍『二十歳の君へ』出版 (文藝春秋)
2012立花隆事務所から完全に独立、サークル見聞伝として再出発

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